第74話《YG》 ページ24
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HS「では！皆さんの入社を祝って！
カンパーーーイ！！」
ホソガの大きな声が、居酒屋に響いた。
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歓迎会。
最初、Aはこの誘いを断っていた。
でも上司の特権で「全員参加制だから」なんて
言いくるめたら、渋い顔で了承した。
ちょっと強引だけど、来てくれるだけで有り難い。
Aはテーブルの端っこに、まるで存在しないかのように気配を消して座っていた。
最初こそはみんな自分の席で食べたり話したりしてたけど、お酒が回ると秩序は乱れる。
そんな中でもAは1人、その席から動かなかった。
YG「…おい、酔ってねぇか？」
俺はそんなAの隣に座る。
「え？…あ、はい…」
いきなり横に来た俺に驚いたのか、少し距離を
置かれる。
Aの顔を見れば、いつも真っ白な頬に少しだけ
赤みが差していた。
YG「…どうだ、仕事にはもう慣れたか？」
「私は、まだまだです」
YG「いや、お前は新入社員の中でもトップクラスだよ。よく仕事出来てるし」
「チーム長に比べたら、全然…」
俺のこと律儀に「チーム長」なんて呼び方するのは
Aだけだと思う。
堅苦しい呼び名が嫌だから、みんなフランクに呼んでくれれば良いのに。
真面目な性格だからだろうな。
YG「…あのさ、前から思ってたけど " チーム長 " なんてそんな堅い呼び方すんなよ。
年がめちゃくちゃ離れてる訳でもないのに。
普通に " ユンギ " とかでいいから」
「え……」
俺からの提案に、明らかに戸惑うA。
まぁいきなり年上の上司からこんな事言われたら
誰だって驚くよな。
YG「ほら、ホソガだって俺のことヒョンって呼んでるわけだから。
俺、堅苦しいの苦手なんだよ」
「あ…。ご、ごめんなさい」
YG「いや、お前を責めてる訳じゃなくて」
Aが謝る必要なんかないのに。
「…ユ、ユンギ…さん？」
遠慮がちで、小さな声。
声は小さかったはずなのに、その声はしっかり俺の
耳にまで届いて。
かすかな余韻を残しながら消えていった。
なぜか上がる心音を無視して、俺は微笑む。
YG「おー、それでよし。
もっと気楽にやっていこうな」
そう言って俺はAの背中をポンポンと叩いた。
それは本当に、何気なく言った言葉だった。
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森下 衣舞(プロフ) - あいさん» あいさん泣 いつも有難うございます！私も感動系、切ない系が好きなので喜んでもらえて何よりです泣 更新お待たせしてしまって、本当に申し訳ないです…。引き続き頑張ります！お体に気をつけて下さいね！！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 第2弾ありがとうございます(T_T)涙が止まりません( ；∀；)感動物語凄く好きなんですよ。だから得しかなくて(T_T)続き楽しみにしております。お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2020年5月10日 9時) (レス) id: 17b64cad63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 | 作成日時：2020年5月7日 0時
