第73話《YG》 ページ23
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少しでも、Aに近づこうと思いながら。
俺たちは毎日を過ごしていた。
今まで以上にスキンシップを取ったり、何気ない会話を挟んだり。
何とかして距離を縮めようとした。
ただそれも、彼女の抱えている壁に阻まれるばかり。
どうして、Aは頑なに拒むのか。
いくら考えても、何も思いつかなかった。
ただ、脳裏に思い浮かぶあの日の光景。
Aが大事そうに抱えていた、介護の本。
あれが関係しているとしたら？
Aは、誰かの介護をしながら仕事を？
介護に仕事に、忙しすぎるからいつも暗いのか？
…いや、それは違う。
きっと、何かもっと重いもの。
俺らには想像出来ないような、辛いことを抱えている気がする。
じゃないと、あんなに思い詰めた表情は浮かべない。
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…さて、どうしたもんか。
俺らの関係性と言えば、ただの上司と部下。
それだけなのに。
こんなにお前の事が気になるなんてな。
…もっと笑えよ、A。
何を抱え込みながら、今そこに座ってるんだよ。
何で、頼ろうとしないんだよ。
俺は分からねぇよ、お前のこと。
何一つ分からない。
ただの上司と部下。
そんなことは、誰よりも知ってる。
でも、それでも。
お前の笑った顔が見たいって。
…そんな理由で近づくのは、駄目なのか。
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モヤモヤした思いが、胸の中で飛び交う。
ホソガも悩んでいた。
「完全に壁がある」って。
HS「せっかく一緒のチームだし、もっと仲良く出来たらいいなぁって思うんですけどね…」
そう言って苦笑いを浮かべていた。
俺の視線の先に見えるA。
今日も痩せ細った体で仕事に打ち込んでる。
日に日に痩せているように見えるのは、俺の見間違いなのか？
HS「…そういえばヒョン。まだ新入社員の歓迎会
してませんでしたよね？」
YG「……あ、完全に忘れてたわ。近々やるか」
HS「じゃあ僕、幹事やりますね」
YG「助かる」
仕事の事ばかり考えて、歓迎会なんて忘れてた。
毎年行う、新入社員の歓迎会。
いつもそこで、チーム内の親睦を深めている。
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…もしかしたら、だけど。
この期に、Aの何かが分かるかもしれない。
俺はそんなことを思いながら、また仕事に戻った。
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森下 衣舞(プロフ) - あいさん» あいさん泣 いつも有難うございます！私も感動系、切ない系が好きなので喜んでもらえて何よりです泣 更新お待たせしてしまって、本当に申し訳ないです…。引き続き頑張ります！お体に気をつけて下さいね！！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 第2弾ありがとうございます(T_T)涙が止まりません( ；∀；)感動物語凄く好きなんですよ。だから得しかなくて(T_T)続き楽しみにしております。お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2020年5月10日 9時) (レス) id: 17b64cad63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 | 作成日時：2020年5月7日 0時
