第72話《YG》 ページ22
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HS「Aちゃん！！」
ホソガが後ろから声を掛けると、Aは肩をビクッと大きく震わせた。
振り返れば驚き、怖がった表情を浮かべている。
「ホソクさんに、チーム長…？」
HS「いつも使ってる所が今日ダメでさ、穴場探してたらここに来たわけだよ！
まさかAちゃんがいるとは思わなかった！」
俺とホソガを見たAは、自分の弁当箱を片付け
始めた。
HS「え？なんで片付けるの？
せっかくなんだし、一緒に食べない？」
「いや、あの…。私、場所変えます」
なぜか焦っているように見えるAに、俺は眉を
ひそめる。
…何をそんなに慌てている？
そんなに俺らと食べるのが嫌か？
「…すみません」
手っ取り早く片付け、小走りで去ろうとするA。
よほど慌てていたのだろう。
走り出した途端、つまづいてAの体が前に揺れる。
ホソガよりも先に、俺がその体を受け止めるように
手を伸ばす。
YG「……っと。危ねぇな」
間一髪の所で、抱きとめる事ができた。
うわ、ほっそい体。
これ本当に折れるだろ。
抱きとめた勢いで、Aが手に持っていた何かが
地面に落ちる。
「す、すいませ…」
YG「いや別に…」
Aの体を離して、
しゃがんで落ちたものを拾おうとする。
「あっ……」
YG「…？」
地面に落ちていたのは。
.
「介護のつとめ」と書かれた分厚い本。
しかも付箋だらけだった。
読み込んでいることは一目瞭然だった。
YG「…お前、介護してんの？」
「………」
本を手渡すと、胸元で大事そうに本を抱き抱える。
「…あの、色々あって。
と、にかく、ありがとうございました…」
答えにならない返事を残して、今度こそ去って行く。
振り返れば、ホソガは寂しそうな顔でAを
見つめていた。
俺はAを抱きとめた感覚が、まだかすかに手の中に残っている。
YG「……あいつさ」
HS「…？」
.
YG「…笑ったら、どんな顔するんだろうな」
HS「…気になりますね」
.
お前が何を抱えてるのか、俺は知らない。
ただ、毎日そんな暗い顔して。
一人ぼっちで生きるなんて。
お前自身が壊れてしまうだろ。
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森下 衣舞(プロフ) - あいさん» あいさん泣 いつも有難うございます！私も感動系、切ない系が好きなので喜んでもらえて何よりです泣 更新お待たせしてしまって、本当に申し訳ないです…。引き続き頑張ります！お体に気をつけて下さいね！！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 第2弾ありがとうございます(T_T)涙が止まりません( ；∀；)感動物語凄く好きなんですよ。だから得しかなくて(T_T)続き楽しみにしております。お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2020年5月10日 9時) (レス) id: 17b64cad63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 | 作成日時：2020年5月7日 0時
