Chapter:31 ページ32
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僕がそこまで言いかけた所で、Aに「ストップ」と言われた。
視界がボヤけて、うまくAの顔が見れない。
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「……言わないで、テヒョン。
言ったら、私降りたくなくなっちゃうかもしれない」
そう言うと、やや自嘲的に笑った。
その表情に、僕は何も言えないまま。
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そして。
静かに、バスが止まった。
「……行かなきゃ」
Aはそう言って、僕の手を解く。
そして、前の方へと歩いていく。
僕とジミンは、反射的にその後を追う。
窓には、やっぱり僕らは映らない。
それが、また現実を思い知らされたように感じて。
視界が歪む。
JM「……行かないでって。
言いたいけど。
でも、Aは生きてるから。
帰らなきゃいけないね……」
ジミンは大粒の涙をこぼしながら言った。
Aはまた、寂しそうに微笑む。
「…私が2人のこと大事だと思ってるように。
クラスのみんなも、2人のことが大事だよ。
だから、またいつか。
…いつか、会いにきてね」
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Aの笑顔に、胸が締め付けられる。
JM「幽霊になって、みんなのところ行くから！」
ジミンが言うと、Aは「ワハハ」と笑った。
僕と初めて話したときの、笑い声と重なる。
僕は、この笑い声も好きだった。
でも、もうそれも聞けない。
悲しくて、寂しくてたまらない。
…なのに。
TH「……元気で、いてね」
言葉が、上手く出てこない。
他に、もっと言いたいことはいっぱいあるのに。
これが、最後だって。
もう、会えないって。
…分かってるのに。
「…うん。
最初、何も教えなくてごめんね。
たくさん、傷つけてごめんね。
でも、もうすぐ帰れるから大丈夫だよ。
…忘れないで。
2人のそばに、私も。
そして、クラスのみんなも。
ずっと、側にいるからね」
そして、Aは僕とジミンに向かって両手を伸ばした。
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最後の、3人でのハグ。
固く固く、お互いを抱きしめあって。
でも、涙は止まらなくて。
啜り泣く声だけが、響く。
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「…テヒョン、ジミン。
ずっと、ずっと、大好きだよ。
元気でいてね」
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森下(プロフ) - カナさん» カナさん、有難うございます！！実写化…なったらとんでもなく喜びます！笑。この作品に込めた思いが届いた事が本当に嬉しいです！またこれからも、どうぞよろしくお願いします！！ (2020年7月16日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - この作品を読んで、とても苦しかったです。他の方もいってらっしゃいますが、ぜひとも実写映画になってほしいくらいです。今、世界的にも注目を集める彼らが主役を務めればたくさんの人が考えさせられる、そんな作品だと思いました。涙なしにはいられません。 (2020年7月16日 18時) (レス) id: 02e49131f6 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 聴きました！とてもきれいでした。この話がいつの日か映画化されることを願っています（笑）それくらい、もっと多くの人に知ってほしいです。 (2020年5月7日 16時) (レス) id: 9b83238922 (このIDを非表示/違反報告)
森下 衣舞(プロフ) - ナナさん» 宜しければ、なんですが…。spring dayの他にも、色んな曲を聴きながらこの小説を書きました。「pure white」というピアノ曲です！あのバスの中で流れていそうな、とても綺麗な曲ですので、良ければ是非聴いてみてください！！ (2020年5月7日 10時) (レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
森下 衣舞(プロフ) - ナナさん» たくさんのコメント、本当に有難うございます泣！！曲聴きました！！自分で言うのも何ですが、合ってますね！！素敵な曲を教えて頂いてありがとうございます！！またこれからも、どうぞよろしくお願い致します！！！ (2020年5月7日 10時) (レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 衣舞 | 作成日時：2020年4月5日 13時
