リセマラ続けて700回。やっと確率0.001の異能を手にしました。

第3話 ロウソク ページ7

育児戦争にも、漸く終わりが来た。

その理由は、単純かつ明解。



___私が、１歳の誕生日を迎えたからだ。





「はーーい！ 電気消すよ〜」

『うー！』


この誕生日は、転生毎に楽しみで仕方がない。

まあ、今回は異能なんちゃらは関係せずに、この人たちと１歳を迎えられるのが、純粋に嬉しいのだが。



「せーーのっ！」


「「「ハッピバースディトゥーユ〜〜」」」


心地よい歌が私を温めてくれる。

ありがとう、お母さん、お父さん、お爺ちゃん。


此処まで諦めないで、良かったよ



「「「誕生日おめでとう！ A」」」

『あーー！！』


そして私は今年最高の笑顔で笑った。



広い部屋に灯る、ロウソクの光。私はふと思った。『消したい』と。

まあ普通なら肺活量的に無理だろうが。


普通なら。

実は私、生まれたときから密かに体を鍛えて居たのだ。ここは自慢できる。

まあ、一寸多めに寝返りを打つとかだったのだが。



『ろーほく、けすー！』

ふーふーと弱めに息をかけると、隣のお父さんが察してか、ケーキを近づけてくれた。



「ほらA。消してごらん」


きらきらとオレンジに反射して輝くお父さんの目。愛しい我が子にの成長を、心から喜んでいる、

なんだか恥ずかしくなってしまった。



『ふーーーーっ！ ふーー！！』


一生懸命、一生懸命


『ふーーー！！！！』


空気を吐き出して、一本の小さな炎を消した。



１歳の誕生日おめでとう、自分。

ふふ、と少し笑った。

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