第2話 みるくの時間 ページ6
『あーー』
ぱたぱたと振った小さな手は、空を切る。
チッ、ミルクの時間過ぎてる様な気がするんだけど。……おっと、ついつい苛々してしまった。
それはそうと、お母さんが出て行ったっきり帰って来ない。
それは私のご飯がなくなることを意味する。
こんな時は、必殺___泣く。
『ふっ、ふぇ……おぎゃあああ!!』
「どっ、どうしたA!!」
無駄に高級そうなドアを、派手に音を立てて開けてきた我が父、永井 一。
お父さん、みるく作れるのかな。
……アッ、ちがうよ。
インスタントの方だからね?
「どうした?……お腹空いたのか?」
お、流石我が父だ。
鋭いところをついてくる。
『あっ、あーー!』
首が振れたら良かったのだが、私は未だ首が座って居ないため、それは出来ない。
したがって、それっぽい『あーー』にした。
これがわたしの700回の成果だ。
「……おしめか?」
『ちげえよ』
前回の反省を生かし、ぽそっと呟く。
嗚呼駄目だ駄目だ!
お腹が空き過ぎて苛々する。
取り敢えず、また泣くことにした。
『うぎゃあああ!!!』
「うわああああA!!!」
……育児は、大変である。
その理由の一つとして、赤子との意思疎通が出来ないと言うのが挙げられる。
今回がそれだ。
『おぎゃああああ!!!』
「おしめ……違う! あっ、遊んで欲しいのか!?」
ちげえよ。
ごめん、お父さん
もう一寸さ、鋭い感を働かせてくれよ。
ていうか、やばい。もうお腹痛くなってきたかも。
お母さん早く帰ってきて___
「A!!!!」
ドアをぶち破る勢いで現れたのは、、、ん?
誰だ。
「おじいちゃんでちゅ〜」
『(うわ、うざ)』
でも良かった。この痛い祖父のお陰で少しは気が紛れた。
「A!!!!」
『うーー! ぁ、まー』
き、来た! お母さんだ。
良かった……これでみるくが貰える。
にしても、ドアをぶち開けるのは、この家の風習なのか?
みんなやってるけど。
⚠私のせいです。
「あっ、じゃあお母さん用事があるから! 父さん、Aの事頼んだわよ」
えっ、み、みるくは?
其の儘、パタンっとドアを閉めて行ってしまったお母さん。
私の……ご飯、みるく……
『う、うぅ、おぎゃあああ!!!』
「どうしたAっ!!!! 遊んで欲しいのかっ」
「お、おじいちゃんと遊ぼうの〜」
育児は、大変である。
『おぎゃあああああ!!!!!』
.
758人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怪盗MOON - (二回目コメ)え!?龍頭抗争時の描写の仕方どんだけ上手いんですか!?星つけときます!あああ!旧双黒が最高すぎるぜ!(済みません。) (2019年11月18日 23時) (レス) id: 0995fcb332 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 24話より。怪「5000億円は澁澤さんの遺産さ〜♪」(あれ『太宰治の入社試験』の時の太宰さん口調!?) (2019年11月18日 23時) (レス) id: 0995fcb332 (このIDを非表示/違反報告)
海豚 - 七海さん» コメント二つも!?有難うございます。コンタクトお揃いですね。嬉しいです…笑 1ヶ月間という長い間待ってくださって、本当にありがとうございました!!! (2018年6月22日 18時) (レス) id: a5f8312cdf (このIDを非表示/違反報告)
海豚 - 雪さん» 雪さん!!!返信物凄く遅れてしまい、申し訳ありませんでした!!本当に1ヶ月待って貰えるとは思えず、感激です。お気遣いありがとうございます。身に染みます……w (2018年6月22日 18時) (レス) id: a5f8312cdf (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってますね(*^▽^*) (2018年6月11日 21時) (レス) id: 497f6be280 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海豚 | 作成日時:2018年5月4日 16時