リセマラ続けて700回。やっと確率0.001の異能を手にしました。

転生699回目 ページ3

転生、699回目。


今回の転生はまあまあ成功だ。異能こそ持っていないものの、前世の私が死んでから、もう5年経つ。

5歳まで生きれるなんて事は、これが初めてだ。



『ままー、わたしそとであそんでくるね〜』

「……車に気をつけてね、いってらっしゃい」



小さい体で、一生懸命住宅街を走る。

目的地は公園だ。それと余談だが、私のお母さんは体が弱い。

私がこうやって自由に外を歩けるのは、言っちゃあ悪いがお母さんのお陰だと思っている。


おっと、気づけばもう公園の目の前だ。

私は砂場で遊んでいる『みっちゃん』に声をかけた。

『おはよお！』

「あ、おはよ！きょーはなにしてあそぶ〜？」


にこにこと手を振るこの子は、私の唯一の友達で、茶色の天パが特徴的な、とても愛らしい子だ。


『きょーは、おすなさんであそぼ！』

「うんっ！」

嗚呼、友達っていいなあ。
心があったまる気がする。

というか、唐突に思った。

……私の実年齢って何歳なんだろう。


あれ、転生始める前が確か18だったから___



『な、ななひゃくさいこえてる…』

「どしたの？」

『ううん！なんでも〜、そうだ！おやまさんつくらない？とんねるもほろうよ！！』


衝撃的事実が分かったところで、この目の前の天使には関係のない事だ。

取り敢えず、”おすなあそび”に集中しよう。





699回目の転生は、この日で終わりとなった。

死因は事故死。


全く新しい死に方に、久しぶりに恐怖を思い出した。……嫌、感想はいい。それよりも、なぜ車ごときに引かれたか理由を話そう。


原因はみっちゃんの飛び出しだ。

ま、要は庇ったって事だな、みっちゃんを。



残り少ない私の良心が働いたのかもしれない。


最後に、泣き叫ぶみっちゃんの顔が見えた。


「うわああああん！！！Aちゃっ、うえええええええん！！！！ごべ、ごめんっね…」




良いことをして死んだなんて、これが初めてだ。まあ、唯一の友達を守れて、良かった。

そして、運命の700回目___→←私の前世での不憫さを聞いてくれ

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