第8話 さよならの挨拶 ページ13
「初めてあった時、私は君を年齢にそぐわないような雰囲気を纏った幼女だと認識していた訳だ。でも、君が時たま見せる哀しげな表情や暗い瞳をみて、更に興味深くなった。それで今に至る__という訳だよ、Aちゃん」
糞長い解説、どうもありがとうございます。
森さん、理由が分かって良かった。
でもさ、それ私じゃなくても良くない?
「あと、可愛かったから……かな!」
「あーーそうですよね。うちの子は天使ですから」
「そうよね」
いやおい待て。
話の内容が明後日の方向に飛んでいってるんだが?
ていうか、驚き過ぎて声が出ない……
「で、どうなんだい? Aちゃん。君はマフィアに入るのか、入らないのか」
「はっきりし給え」そう言いたげな視線だ。
そんな風に見られたって困る。
幾ら私が森さんを好いているとはいえ、こんな、将来を決めるようなことは……
ちら、と両親を見た。
グットサインを送っている。
……グットサイン?
「Aーがんばれー」
「決めろー」
『巫山戯んな糞親め』
はあ、とため息をつき、すうっと息を吸う。
『良いでしょう。私はマフィアに入ります』
キッ、と森さんの目を見つめた。
「へぇ……矢張り君は
にこぉっと嗤ってくる森さん。
正直恐怖しか湧かない___と思う。
まあ、普通なら…ね
私をなめるなよ、700年と少し、生きてるんだ。
『当たり前です。だって、幼女がこんな喋り方、気持ちが悪いでしょう』
ふふ、といつもと違うように、
さあどうだこの野郎。
ふっと緊張を解くと、私の両親を見る。
何がグッドサインだよ。
娘が死ぬぞ?
「ううっ……Aが凛々しいよ、由美子……矢っ張り君に似たんだねっ」
「いいえっ、きっとあの格好良さはあなたに似たんだわ……」
『もうやだこの親バカ』
ーーー
そして、7話目の冒頭に戻る……という訳だ。
全く、とんだバカ親だ。
もう8歳にもなった娘に「可愛い」などと。
はあ……
もう見慣れた、この白いドアを開ける。
なんだか今迄調子こいたこと言っておいて、急に寂しくなってきた。
『っ……お父さん、お母さん。私、行ってくるから!!』
「うん、行ってらっしゃい。A」
「大好きだぞーー! A!!」
永井 A、8歳。
皆と道は違うけど、頑張って自立します。
私は小さいながら、新しい一歩を踏み出した。
イメ画を描いて頂きました! in黯様→←第7話 四年間という長い時
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怪盗MOON - (二回目コメ)え!?龍頭抗争時の描写の仕方どんだけ上手いんですか!?星つけときます!あああ!旧双黒が最高すぎるぜ!(済みません。) (2019年11月18日 23時) (レス) id: 0995fcb332 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 24話より。怪「5000億円は澁澤さんの遺産さ〜♪」(あれ『太宰治の入社試験』の時の太宰さん口調!?) (2019年11月18日 23時) (レス) id: 0995fcb332 (このIDを非表示/違反報告)
海豚 - 七海さん» コメント二つも!?有難うございます。コンタクトお揃いですね。嬉しいです…笑 1ヶ月間という長い間待ってくださって、本当にありがとうございました!!! (2018年6月22日 18時) (レス) id: a5f8312cdf (このIDを非表示/違反報告)
海豚 - 雪さん» 雪さん!!!返信物凄く遅れてしまい、申し訳ありませんでした!!本当に1ヶ月待って貰えるとは思えず、感激です。お気遣いありがとうございます。身に染みます……w (2018年6月22日 18時) (レス) id: a5f8312cdf (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってますね(*^▽^*) (2018年6月11日 21時) (レス) id: 497f6be280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海豚 | 作成日時:2018年5月4日 16時