【文スト】不思議の国の探偵社員-第2章 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:8,099 hit

Murder on D Street ページ6

電車に揺られて目的地に着いた敦は、乱歩が本当に電車の乗り方が分からないことに驚愕した。
見た目は幼女なルイスに乗り方を教わっている乱歩の姿は、見る人には奇妙な光景に見えただろう。

乱歩につられ河川敷へと来れば、｢遅いぞ、探偵社!｣と怒りの声がかけられる。

｢うん？君、誰？安井さんは？｣
｢俺は箕浦。安井の後任だ。──本件はうちの課が仕切る。貴様ら探偵社は不要だ。｣
｢莫迦だなぁ。この世の難事件は須く(すべから)名探偵の仕切りに決まってるだろう？｣

有無を言わさぬ態度にも怖気づかず、はぁ、と乱歩はため息をつきながら言った。
そんな乱歩の態度にぎょっとする敦とイラついた態度を見せ、｢抹香臭い探偵社など頼るものか。｣と言う箕浦。

｢･･･乱歩の凄さ、安井から聞いてないの｣
｢･･･、聞いてはいる。しかし、それでもだ。｣

｢なぜ？｣そうルイスが問いかける。
｢殺されたのが─、俺の部下だからだ｣箕浦が、目を閉じながらそう答えた。

そして箕浦の後ろに居た若い刑事がバサっ、と
死体袋を剥がす。
死体袋の中にいたのは若い女性だった。
今朝川に流されていた所を発見されたと刑事は言う。

｢･･･ご婦人か。｣

乱歩は帽子をとり、そう言う。
敦には刺激が強すぎたのか、口元に手をあてている。
ルイスは女性の前に座り、手を合わせた。

死因は胸部を銃で三発撃たれた事によるらしい。
しかし、それ以外の事はわからない。そう箕浦は言った。犯人も不明らしい。

｢それ、何も判ってないって言わない？｣

帽子を被り直した乱歩が苦笑いで言った。
立ち上がった箕浦はそんな乱歩を睨みながら、｢だからこそ、｣と口を開いた。

｢素人あがりの探偵になど任せられん。｣

箕浦がそう言った時、何かが網に引っかかったという報告が入る。
敦が若い刑事に｢何をしてるのか｣と問うと、刑事は丁寧に説明してくれた。

要は証拠が流されてないか調べる為に網を張っていたらしい。
なるほど、と敦が納得をしたと同時に「人だァ、」と一際大きな声が響いた。

第二の被害者か!?と敦と箕浦が生唾を飲む横で、ルイスは嫌な予感を覚えて目を細めた。

────────

大分久しぶりの更新となりました。
生きてます。これからまた更新するのでよろしくお願いします。