検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:8,104 hit

04 ページ11

殺.された山際女史の死因はマフィアの仕業だと思われていた。
しかし、それも誰かの偽装だとわかり彼女の後輩だと言った杉本巡査は顔を曇らせる。

「そんな…偽装の為だけに遺骸に二発も撃つなんて…。
非道い…」

沈んだ顔と声だが、ルイスはその言葉の矛盾を見逃さなかった。
先ほど、箕浦は胸部に三発銃で撃たれたと言っていた。
が、杉本は遺骸は二発撃たれたと言った。

その言葉の意味することは、一つ。

それに気づいたルイスが杉本をキツく睨みつけるが、杉本は気づく様子もなく乱歩に肩を叩かれていた。
どうやら杉本に許された推理の時間が切れたらしい。

ケラケラと笑いながら杉本に「名探偵の才能無いね!」と明るく言う乱歩に、箕浦が眉間に皺を寄せて声をかけた。

先刻(さっき)から話を聞いていればやれ推理だ、やれ名探偵だだの通俗小説の読みすぎだ!
事件の解明は即ち地道な調査、聞き込みに現場検証だろうが!」

そう高々に言う身の裏とは対照的に、乱歩は呆れた様子を見せる。

乱歩曰く、名探偵は推理などしない。
彼の能力『超推理』を持ってすれば犯人も、殺した場所も時間も方法も、全て判明すると。
そう言った。

だが、それを聞いた箕浦は激昂するだけだ。

巫山戯(ふざけ)るなっ!
貴様は神か何かか!そんな力があるなら俺たち刑事は皆免職じゃないか!!」
「まさにその通り。漸く理解が追いついたじゃないか。」

箕浦の言葉にケロリとした態度で乱歩が応える。
そんな乱歩の態度に箕浦はこめかみに青筋を浮かべながら睨みつけた。

ここまで聞いてまだ乱歩のことが信用ならないのか。
乱歩の態度も確かに褒められたものではないが、それは彼が自分に自信を持ってるゆえに。

(こんなところで言い合いをしてるより、乱歩の推理を聞いた方が有意義なのに。)

彼女を殺した犯人を知りたいと思っていながら乱歩の言葉は否定する。
それは矛盾していないかと思いながら、彼らの言い合いを聞いていた。

05→←更新再開のお知らせ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年4月2日 12時) (レス) @page3 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ねむ | 作成日時:2018年6月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。