【文スト】不思議の国の探偵社員-第2章 (ページ1)

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運命論者の悲みページ1

人工的な明るさでルイスは目を覚ます。
其処は見覚えはあるが、見慣れた場所ではない。

首を横へ向けると、パイプ椅子に座って『理想』を開き眼鏡を頭にかけている国木田の姿があった。

｢･･･くにきだ?｣

ルイスが出した声は枯れていた。
ポートマフィアと出会った日から時間が経っているのであれば喉が枯れるのは仕方の無い事だが。

｢目が覚めたか、ルイス。｣

いつになく優しい声だ。らしくない。
ぼんやりとそんな事を思い、｢ここは｣と言葉を発した。
国木田は｢医務室だ｣と答える。詰まりはあのあと、太宰により運び込まれたという訳だろう。

国木田から水を受け取り、体を起こしてごくりと喉を潤す。
辺りを見渡せばすぐ隣に敦が寝ている事がわかった。

｢中島、｣

そろりと敦の体に触れようとした瞬間、がばり、と勢いよく起き上がる。
びくっ、と震えたルイスは無意識に国木田の服の裾を握りしめた。

｢あれ、!?ここは、｣
｢気づいたか、敦。｣
｢･･･、おは、よう?｣

｢ルイスちゃん･･･？良かった、無事で──、っ、谷崎さん達は!?｣

敦の言葉にルイスもハッとする。
そういえば谷崎やナオミは何処だろう、と。

｢国木田、｣

不安げに国木田を見るルイスに一つため息をついた国木田は｢無事だ。｣と応えた。
次いで｢隣で治療中｣と云った。直後、｢ｷﾞｬｧｧｧ｣という悲鳴も聞こえる。

敦は治療･･･？と首を傾げるが、悲鳴の正体がなんなのか知っているルイスは少し肩を震わせた。

｢聞いたぞ、小僧。七十億の懸賞首だと？出世したな。マフィアが血眼になるわけだ。｣

その言葉を聞いたルイスはなるほど、と息を吐いた。
だからこそあの執着か、胸くそ悪い。

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少し切り悪いですが、ここまでにします。