入学-20 ページ26
無論、他の魔法体系と同じく言い伝えがそのまま真実、ということではない。
講談の中での忍術の代表格とも言える｢変化｣は、幻影と高速移動の組み合わせであることが解明されている。
忍術だけでなく、伝統的な魔法における変身系統の術は全てこの種のトリックによるもので、変身・変化・元素変換は現代魔法学では不可能とされている分野だ。
深雪が先生と呼び、達也とAが師匠と表現する九重八雲は、そんなそんな忍術を昔ながらのノウハウで伝える古式魔法の伝承者だった。
しかし、僧形は別として──･･･そんな事を微塵も感じさせない八雲に、Aは少し頭が痛くなった。
｢そういえば、それが第一高校の制服かい？｣
話題を変えて、八雲が聞く。
視線に気づいた深雪が、八雲の質問に｢えぇ。｣と肯定した。
｢昨日が入学式でしたので。｣
｢そうかそうか･･･うーん、いいねぇ｣
｢･･･それで、入学式も無事終わりましたのでご挨拶を、と思ったのですけれど･･･お師匠様?｣
説明を加える深雪を上から下まで視線を巡らせる八雲に、Aは目が笑っていない笑顔を向ける。
それは、Aがもう少しで怒るという合図だが、テンションの上がっている八雲はそれに気づいていない。
深雪を庇うように前に出たAにジリジリと詰め寄っていた八雲が、突然身体を反転させて腰を落とし左手を頭上にかざした。
パシッという鈍い音をたてて、手刀が腕に防がれる。
｢･･･先生。そろそろAが限界ですし、深雪も怯えているので少し落ち着いてもらえませんか。｣
｢･･････やるねぇ、達也くん。僕の背後をとると、はっ｣
ひゅん、と風の切る音がなり、左手で達也の右手を巻き込みながら右の突きを放つ八雲。
右手を八の字に振ることで決め技を逃れ、拳を包むように受けてそのまま脇に抱え込む。
逆らわず前転した八雲の足が達也の後頭部に襲い掛かり、それを達也は身をひねって躱した。
2人の間合いが離れる。
いつの間にか、対峙する二人を囲む人の輪ができていた。
周りの輪を気にせず、再び交差する達也と八雲。
二人はどこか楽しそうでもあり─･･･Aは、少しだけ寂しそうに二人を見つめた。
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asukamte9(プロフ) - クマさんさん» ありがとうございます！アニメもまた再開しますし、亀更新ではありますが更新していこうと思います〜！ (2020年7月7日 23時) (
レス) id: 7e8a231f5c (このIDを非表示/違反報告)
クマさん - 魔法科高校の劣等生久しぶりに見ました！面白いですよね！続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: 431c65eee8 (このIDを非表示/違反報告)
asukamte9(プロフ) - もっぴさん» ありがとうございます〜！ (2020年4月23日 4時) (レス) id: 7e8a231f5c (このIDを非表示/違反報告)
もっぴ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！ (2020年4月23日 2時) (レス) id: bfcff30253 (このIDを非表示/違反報告)
asukamte9(プロフ) - 直美さん» 誤字報告ありがとうございます!修正しておきますねー！(￣^￣ゞ (2018年8月30日 21時) (レス) id: 14056de88c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ | 作成日時：2017年10月1日 3時
