入学-12 ページ18
Aは正直深雪がなぜ生徒会長と一緒なのかと問いたかったが、達也がタイムラグゼロで深雪の問いに答えたためそれは叶わなかった。
「こちら、柴田美月さんと千葉エリカさん。俺と同じクラスなんだ。」
「そうですか･･･。お義姉様がいらっしゃるというのに、早速クラスメイトとデートですか?」
こてん、と可愛らしく首を傾げているものの、目が全く笑っていない事に気づいた人は果たして何人いたのか。
少なくともAと達也はわかっているためやれやれ、と肩をすくめる。
どうやら式が終わった直後からずっと歯の浮くようなお世辞の十字砲火にさらされて、ストレスがたまっているようだ。
「そんなわけないだろう、深雪。お前を待っている間話をしているだけだって。」
「そうよ、深雪ちゃん。その言い方は美月とエリカに失礼でしょう?」
二人にとって深雪の拗ねた様子は可愛らしいものだったが、紹介を受けて名乗りもしないのは上級生や同級生の手前、
二人の言葉を受けてハッとした深雪は一層お淑やかな笑顔を取り繕った。
「はじめまして、柴田さん、千葉さん。司波深雪です。わたしも新入生なので、お兄様とお義姉様同様、よろしくお願いしますね。」
「よろしく。あたしの事はエリカでいいわ。貴女のことも深雪って呼ばせてもらっても良い?」
「ええ、どうぞ。苗字ではお兄様と区別がつきにくいですものね。」
笑顔でそう受け答えする深雪に、エリカはフレンドリーに「あはっ、」と笑った。
「深雪ってば見掛けによらず実は気さくな人?」
「貴方は見た目通りの、開放的な性格なのね。エリカ。」
ここまで来るのにお世辞とお愛想にウンザリしていたのだろう。
エリカのざっくばらんな態度が余計に好ましかったのか、それ以上に何か通ずるものがあったのか、二人はすっかり打ち解けた笑みを交わしあっていた。
そんな二人を見て安堵の笑みを浮かべるAだったが、いつまでもこうしていては通行の邪魔だった。
達也もそう思ったのか、深雪に声をかける。
「深雪、生徒会の方々の用は済んだのか？まだだったら、適当に時間を潰しているぞ」
「そうね。確かカフェもあったはずだから、お話があるなら私達はそこで待ってるわよ。」
「大丈夫ですよ。」
達也、Aの質問と提案に対する応えは深雪ではなく異なる相手から返された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
asukamte9(プロフ) - クマさんさん» ありがとうございます！アニメもまた再開しますし、亀更新ではありますが更新していこうと思います〜！ (2020年7月7日 23時) (
レス) id: 7e8a231f5c (このIDを非表示/違反報告)
クマさん - 魔法科高校の劣等生久しぶりに見ました！面白いですよね！続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: 431c65eee8 (このIDを非表示/違反報告)
asukamte9(プロフ) - もっぴさん» ありがとうございます〜！ (2020年4月23日 4時) (レス) id: 7e8a231f5c (このIDを非表示/違反報告)
もっぴ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！ (2020年4月23日 2時) (レス) id: bfcff30253 (このIDを非表示/違反報告)
asukamte9(プロフ) - 直美さん» 誤字報告ありがとうございます!修正しておきますねー！(￣^￣ゞ (2018年8月30日 21時) (レス) id: 14056de88c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねむ | 作成日時：2017年10月1日 3時
