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｢ふぅん、摩利を会長って呼ぶってことは勧誘に成功したのね。｣
そう言う真由美の表情はどこか硬い。
何か気に触ることでもあっただろうかとAが疑問に思っていると、言葉に詰まっている摩利の代わりに達也が口を開いた。
｢最初から俺たちに拒否権はなかったように思いましたが…｣
人の悪い笑みを浮かべている真由美を見ようともせず、達也はどこか諦めの色を含んだ声音でそう言った。
その態度が、どうやら真由美はお気に召さなかったらしい。
彼女は腰に片手を当てて片手の人差し指を達也に向けた。
その後、頬を膨らませて睨みつけるという、わざとらしさ満載の態度で達也に抗議した。
｢達也くんに六笠さ〜ん？ちょっとお姉さんに対する態度がぞんざいじゃない？｣
あなたは私たちの姉ではありませんが。
そう言いたい気持ちをなんとか抑え、どう返事をしようかとAは頭をフル回転させる。
ここで下手なことを言ってさらに機嫌を損ねでもしたらめんどくさいことになるのは請け合いだ。
しかし、あいにくとAはここで気の利いた言葉を返せるほど人間関係を築いてこなかった。
｢会長、念のためと言いますか…確認しておきたいことがあるんですが。｣
はてさてどうしたものかとAが内心悩んでいると、達也が不意にそう問いかけた。
この状態で？とAが内心疑問符を浮かべている中真由美も首を傾げていた。
｢会長と俺たちは、入学式の時が初対面ですよね？｣
達也の口から出た言葉は、暗に｢それにしては馴れ馴れしくないですか｣と言う意思を込めて放たれたもの。
流石にその言葉は予想してなかったらしい。
真由美の目が見開かれたと思うと、次の瞬間には段々と元の大きさに戻りさらに細められていく。
その表情はどこか邪な、としか表現のしようない笑みになっていった。
Aはその真由美の変わりようにあぁ…とどこか諦めにも似た察し方をしてしまった。
どうやら判断を誤ったらしい。
達也も軽くそのことに気づいたようだったが、一歩遅かったようだった。
続く (更新停止中)
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零 - 早く続きが見たい (12月18日 20時) (
レス) @page35 id: d8cab8ae04 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 更新楽しみに待ってます♪ (2021年11月25日 23時) (レス) @page22 id: 45dc289628 (このIDを非表示/違反報告)
asukamte9(プロフ) - 乃さん» ありがとうございます。執筆頑張ってるので、もうしばらくお待ちください！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 7e8a231f5c (このIDを非表示/違反報告)
乃 - 進み具合はどうですか？とても楽しみにしています！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: 9c037e67a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ | 作成日時：2020年10月5日 20時
