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そしてやってきた組対や401が男たちを運んでいる中、伊吹は志摩に詰め寄って胸ぐらを掴んだ
「おいっ、おいってよ…、オメェ舐めてんのか、あんなんで暴発するわけねぇだろ」
「知ってるよ。」
「お前死にたいのか、宮ちゃんも」
そんな様子よ401の2人はどうしたのかという顔で見ていた。
「は?助けんのがおっそいんだよ。離せ離せ、青池透子に話聞くんだろ?ほら、」
そう言うと志摩は車内へと入って「すみません警察でーす」といつもの調子で言った。
伊吹は納得していないような顔をしつつ、宮の方をちらりと見て同じく車内へと入った。
『…死にたい、ねぇ…俺が本当に死にたくてやったって言ったらいいお前はどう反応すんだろうな』
なんて窓から落ちた拳銃を拾い上げて宮はそう呟いて、そのままその拳銃を組対へ渡した。
「どうも…って、お前か宮。まさか関わっていたとはな…、今度こそ撃たれてたら死んでたかもしれないな。」
『ハハッ、そーですねぇ…』
笑いながら宮がそう返すと
「あの時のこと、忘れてるわけじゃねぇよな?」
『…忘れるわけないですよ、』
「ならいいんだよ、お前と付き合ってさえいなければ悠木は死ぬことがなかった。この‘恋人殺し‘が」
『……』
そう組対の人が宮に言うと、車に乗ってその場を去った。
宮は、心臓の近くをぎゅうと握りしめて俯いた。
すると、バスから伊吹が青池を抱えて出てきて、大声で叫んだ。
「九重っ!救急車呼べ!よしっ、青池…なぁ、起きろよ…っ起きて山ほど話したいことあんだよっ」
そう言って、伊吹は青池に跨って必死に心臓マッサージをした。しかし、すでに息を引き取っていたためにそれは無駄なものであった。
一方志摩は車内で青池が持っていたスーツケースを開けてみるとそこにあるはずの一億円が消えて無くなっていた。
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「…司法解剖はまだだけど、死因は銃創の失血死で間違い無いだろうって検視官が」
「逮捕された連中は?」
「青池透子を撃ったのも追いかけていたのも住之江組の人間でエトリや辰井組とは無関係でした。」
そう今まであったことを報告しあっていると伊吹が声を上げた。
「あれ…というか、宮ちゃんは?俺あいつにも言いたいことあるんだった…」
「…宮は今仮眠室で寝てる、あのあと体調崩したから」
「んだよ…っ、言ってくれりゃあいいのに…」
「…そうもいかない理由があるんだよ、察しろ」
「はいはい、合点承知の助…」
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作者名:いのち | 作成日時:2020年8月31日 13時