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404として1機捜本部へ戻り、金に着いていた血のついた指紋からデータベースを調べるとやはり宮が言っていた青池透子だった。
『桔梗さん、あの裏カジノ事件の時の青池透子です』
「あの時の…?」
「2人とも面識あるんですか?」
「私は直接会ったことはない、多分宮はあると思う。」
『えぇ、あの時は逮捕者が20人以上いたので…特に印象に残ってるのが青池です』
「2年前の裏カジノ事件?」
伊吹が何も知らないようにそう呟くと志摩が答えた
「ニュースにもなったろ。池袋の10億規模の違法賭博場が摘発されて客に上場企業のお偉いさんや官僚までもいて話題になった。」
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「機捜はここまでで結構です、組対が住之江組の内部抗争のネタを掴んでいるみたいで、その一環だと。後はうちと組対で、お疲れ様です…」
「…どもっ!」
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「初動捜査はこれで終了、後は所轄と組対がやるって」
「んー!早かったなぁ」
「1機捜は引き続き周辺を警戒」
「じゃあ俺ら密行に戻ります。」
『待ってください、ここで終わりにしていいんですか!もしかしたら関与しているかもしれませんよ!!』
「宮ちゃん?」
しばらく黙っていた宮がそう大きな声でそう言うと桔梗さんが口を開いた
「わかってる、2人とも待って。」
そう言って以前分駐所として使っていた場所に3人を連れて説明をし始めた
「青池は2年前逮捕されたけど被害者でもあったの、クラブのホステスとして働いていた青池は店の客に連れられて裏カジノへ足を踏み入れた。最初は勝たせるのはお約束、一晩で10万20万」
『…そんな状態だと、徐々に金銭感覚は狂って50万負けても60万勝てばいいと思うようになる、はまった頃にはもう遅い返せない額の借金を背負わされて、女は風俗に沈められる。』
「青池は少しでも早く返すためにカジノでも働いていた、その時に…」
『…その時青池を逮捕したのが俺、ちょうど機捜にいて組対の応援に行っていた。青池は情状酌量もあって執行猶予1年の判決。去年執行猶予があけてる』
「この時逮捕したオーナーはただの身代わりで、実際のオーナーは逮捕できてない。」
『…オーナーは2人、通称エトリとN。本名不明で自称実業家40代で写真もない、この二つの似顔絵は情報提供者によるものと…俺だ』
そう宮が似顔絵を見ながら言えば、2人は驚いたようにした
「ちょちょ、宮ちゃんも目撃してんのになんで逮捕できなかったの」
『…それはまた今度な、今回の発泡事件にもしかしたら関与してる可能性もある』
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作者名:いのち | 作成日時:2020年8月31日 13時