俺の妹は心配、性......？ (ページ4)

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54話ページ4

｢おい、ここ俺らが使うからどけよ｣

｢で、でも順番に遊ばないとダメなんだよ？｣

｢うるっせぇな！いいからどけよ！｣

団地に住んでいる子供はほとんどが男の子で環境が環境だったからか口が悪かったり意地悪な子が多かった
そんな中、女で泣き虫という珍しい私は男の子達の標的にされていた

｢ぐすっ、｣

｢うーわ泣いてやんの笑｣

｢このぐらいで泣いてんじゃねぇよ弱虫｣

辻｢おい！お前らなにやってんだよ！｣

｢やべっ、辻と芝マンだ｣

｢兄貴使うとか卑怯なことしてんじゃねえよ！
バーカ、ブース！｣

芝｢待てよ！｣

男の子達を追いかけていったお兄ちゃん達にも置いてかれて一人で泣いていると

｢お前なんで泣いてんの？｣

1人の男の子に声をかけられた

｢だ、だれ....？｣

｢幽霊棟の高城司
お前は？｣

｢辻、A｣

司｢じゃあ辻の妹？｣

小さく頷くと司君はそっかと呟いて隣に座った

｢で？なんで泣いてたんだよ｣

｢遊んでたら、どけって言われて、私が言う事聞かないからドンって押してきて
っ、お兄ちゃん達も、どっか行っちゃって｣

思い出して怖くなったのと1人になった不安で再び涙が零れる

司｢泣くなよ｣

｢ご、ごめんなさ｣

司｢ほら、これやるから｣

ポケットから取り出したのは

｢わ、すごい....四葉？｣

司｢さっき偶然見つけた
これがあればいい事あるって母ちゃんが言ってたんだよ
だからもう泣くな｣

｢ありがと....｣

司｢よし、良い子だ｣

頭を撫でる司君の金色の髪が眩しく輝いていた
助けてもらったからか、笑った顔が凄く優しかったからかはわからないけれど、その瞬間絵本に出てくる王子様のように見えた

｢おーい司ー！｣

司｢ったく、やっと来たか
遅ぇぞ楓士雄！
Aだっけ？またな｣

｢あ、あの！助けてくれてありがとう！｣

こっちを向かずに手を振って歩く姿が小さくなるまで眺めていた

｢高城、司君....｣

もらったクローバーを家に持ち帰り宝箱にしまった
なんとなくお兄ちゃんには言いたくなくて、この日の事は誰も知らない私と司君だけの思い出となった