俺の妹は心配、性......？ (ページ20)

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70話ページ20

｢お、おい、確かあの子｣

｢あ！土手で怒鳴ってた子か！｣

｢てか、また何か怒ってねぇ？｣

｢すげぇ顔してるぞ｣

｢そもそも鳳仙なんかに1人で来るとか....何の用だ？｣

校門にいた男の人達が私を見て何かを話しているけどそれどころじゃない

｢すみません、沢村さんはいますか？｣

｢沢村さんって、あの？｣

｢っ、鳳仙の幹部で佐智雄さんの妹の唯ちゃんの彼氏の沢村さんです！
今どこにいるかって聞いてるんです！｣

｢あ、えと、柔道場に｣

｢それはどこに？｣

｢1階の奥だけど、ってちょっと待て！｣

制止の声を振り切って校内へ進む
すれ違う人達が目を開いて見てくるけど気にせずに目的地へと歩き出す
こんな気持ちは初めてだ
色々な感情がぐちゃぐちゃになってお腹の底でぐるぐると回っている

楓｢じゃあ待たなじんじん！｣

仁｢じんじん言うな！｣

沢｢もう1人で鈴蘭に乗り込むなんて馬鹿なことすんじゃねぇぞ｣

健｢ついでにうちにもな！｣

小｢気ぃつけて帰れよ〜｣

幹部の人達となぜかふー君の声まで聞こえてきた
戸を勢いよく開けば丁度目の前にふー君が立っていた

楓｢え、えぇ！？A！？なんでここにいんだよ！｣

小｢Aってウサギちゃん？｣

健｢はぁ？あのチビちゃんがこんな所にいるわ、け｣

仁｢なんでお前のとこは無茶な事するバカタレしかいねぇんだ楓士雄！｣

楓｢いや〜、俺に言われても｣

沢｢おいあんた、こんなとこになにしに｣

｢なんで｣

沢｢あ？｣

｢なんで唯ちゃんの事言ってくれなかったんですか！｣

沢｢っ、｣

楓｢唯ちゃん？｣

小｢佐智雄の妹だ
ウサギちゃん、唯ちゃんと同じ学校で友達だったんだよ｣

沢村さんを睨むと申し訳なさそうに顔を下に向けた
やっぱり知ってたんだ....

｢さっき清邦にいる友達に聞きました
唯ちゃんが海外に行くことになったって
誰も知らされてなくて出発してから皆に伝えて欲しいって先生に言ってたって
私にもっ、何も言ってくれなかった！
皆さんは知ってたんですよね！
佐智雄さんが海外に行くってこと！
私が唯ちゃんと友達だったって事も知ってたはずです！
なんでっ！なんで教えてくれなかったんですか！？｣

沢村さんの服を掴んで揺すっても力いっぱい叩いても何も言わずに黙っている
この感情を誰かにぶつけても収まらないことぐらい分かってる
それでもどこかに吐き出さずにはいられなかった