3-20 ページ21
海青side
「とりあえず隼君に変わってくれますか?」
涼『ほら隼、Aから電話』
隼『うぅ、A〜』
いつもの明るい隼さんはどこにもいなくて、鼻声で弱々しくAさんを呼んだ
「もうしっかりしてよ!
涼太さん達だけじゃなくてスタッフさんにも迷惑かけてるんだよ?
明日本番なのにそんな調子でどうすんの」
隼『だって』
「だってじゃない
いくら昔から好きだった人が結婚したからって皆に迷惑かける理由にはなりません
大体ねぇ、知り合いだったわけでもないのに恋人になれるなんておこがましいこと考えてる隼君が悪いんでしょ?
そんなに好きだったなら俳優にでもなれば良かったじゃん」
隼『おまっ、それが失恋したやつに対する態度か!』
翔「Aさんきっつ笑」
陣「俺こんなん言われたら立ち直れんわ笑」
隼さんが落ち込んでいる理由は昔から好きだと言っていた女優さんの結婚報道だったらしい
傷口に塩とは正にこの事で、向こうで聞いている龍友さんも「流石に可哀想になってきたわ」なんてぼやいている
言われてるわけでもないのにAさんの言葉にダメージを受ける俺達
きっと俺や陣さんなら共感して慰めていただろうけど、Aさんはズバズバと現実を突きつけていく
こんな言い方で本当に立ち直れるのか心配になる
けれど
「それでもこの道を選んだのは隼君なんだから今以上に良い男になって推してもらえばいいじゃん
だからその為に今日のリハも明日からのライブも頑張ろ?ね?」
最後には寄り添って優しく接してくれるのがAさんだ
龍友さんも涼太さんもそれを知っているから頼んできた
それに
「隼君のかっこいいダンスが世に出たら認知してくれるチャンスかもなぁ〜」
隼『認知.....』
「頑張ったら直人さんがモニタリングで会わせてくれちゃったり」
隼『龍友君!さっきの続きやりましょ!涼太君も!
A!俺今からリハを全力で!マジのマジで頑張ってくるから!じゃあな!
ほら何してんの!はーやーくー!』
隼さんの扱いが1番上手いのもAさんだと知っているのだろう
数『お前ホンマに後から覚えとけよ?
A、とりあえず助かったわ
お詫びと礼に前言っとった寿司屋連れてったるから空いとる日教えてくれ』
涼『今度事務所に来る時にワイン持っていくからまた連絡するね
ありがとう』
「なんとか持ち直してくれて良かったです笑
亜嵐さん達にもよろしくお伝えください」
そう言って龍友さん達との電話は切れた
511人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすか | 作成日時:2022年11月28日 22時