俺達のマネージャー (ページ32)

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壱馬side

壱｢お願いしますよ〜
俺一人で全部食べるから着いてきてくれるだけでいいんで！ね！｣

陣｢可愛い顔してもアカンからな！
そう言って食べさせられたん忘れてへんし！
絶対に嫌や！｣

ホールツアーで地元の大阪に来て2日目
夜に何を食べようかと近くのお店を調べていると｢ペア限定激辛ラーメンチャレンジ！30分以内に完食すれば無料！｣というキャッチフレーズが目に入った
好きな物が無料で食べれるとか最高やんと思ったのは言いけれど問題はペアの相手
辛いのが平気なメンバーはおるけど好き好んで食べるのは俺ぐらい
ましてやライブ中に刺激物を摂取しようとする人は誰1人いなかった

壱｢えぇ〜、食べたかったなぁ.....｣

ダメ元で誘ったけど最後に頼んだ陣さんも返事はノー
諦めるしかないと項垂れていると

｢何それ？めっちゃ美味しそうだね｣

思わぬ所から賛同の意見が上がった

陣｢そういえばAも辛い食べ物好きやったな｣

｢限度によりますけどね笑
流石にカプサイシンを舐めた時は涙が出ましたけど笑｣

陣｢いやそれ調味料やなくて辛味成分やからな？
普通は舐めようとも思わんで？｣

｢何事もチャレンジ精神が必要なんですよ笑｣

壱｢あの、Aさんってこの後時間ありますか？｣

｢え？片付けと明日の打ち合わせがあるけど、20時には終わるかな？｣

陣｢あー、成程な
ええんちゃうん？｣

｢何がですか？｣

壱｢このラーメン、ペア限定らしくて
メンバー全員に断られて諦めてたとこなんです
Aさんが良かったら一緒に行ってくれませんか？
完食したら無料だし、食べれなかったら俺が払いますから｣

｢んー.....｣

Aさんが迷っている理由はわかる
そこそこ知名度が出てきた人間が夜に、ましてや異性と2人でいれば翌日にはメディアの格好の餌食になる
それをわかっていても今の俺は食欲が勝っていた

｢あ、ちょっと待ってて｣

何かを思いついた様子でどこかに電話をかけ始めた

｢もしもし彰吾君？お疲れ様
もう帰っちゃった？あ、本当？実はお願いがあって、何個かアクセサリー貸してくれない？ネックレスとリング何個かと、サングラスもあれば有難いかも
なるべく厳つめのやつ
え、あ、うんそう壱馬君と
うん、ありがとう
じゃあ今から取りに行くね、ばいばい｣

Aさんは電話を切るとどこかへ走って行った