俺達のマネージャー (ページ25)

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過去山本彰吾と村田和輝ページ25

山彰side

Aの兄である和輝さんは俺らの3つ上で昔は仲睦まじい兄妹とは程遠い関係だった

｢.....｣

山彰｢また和輝さんと喧嘩したんか｣

｢私悪くないもん｣

山彰｢誰もお前が悪いとは言うとらん｣

いつも遊ぶ時はボロい神社の前で集合していた
どうせ今日もいるだろうと階段を上がれば顔に引っ掻き傷と手足に噛み跡がついていた

山彰｢相変わらず容赦ないな笑｣

｢年上の癖に大人気ないんだよ
向こうが先に私のプリン食べた癖に自分が食べられたら殴ってきたんだよ？｣

山彰｢どうせお前もやり返したんじゃろ？｣

｢当たり前じゃん
お腹に1発だけだけど｣

山彰｢おー怖笑｣

けれど俺は知っていた
本当は和輝さんがAの事をちゃんと大切にしているということを

A達が遊びに来たばかりの頃、余所者が来たとからかわれ靴を川に投げられたことがあった
一緒にいた俺は当然やり返そうとしたけど相手は2つ上のガキ大将みたいなやつを含め3人いて全然敵わなかった
帰る途中で和輝さんに会いAが泣きながら説明をした
両親には言わないで欲しいと縋ったAの頭を叩いて

和｢頼まれても言ってやんねーよ｣

と言って笑っていた
次の日何となく昨日の河原に行くと昨日の奴らが和輝さんと喧嘩していた
応戦しようと近づくと3人の方が傷だらけで和輝さんは無傷だった

｢てめぇら年下の女に手なんか出してんじゃねーよ！
文句があんなら俺に来い！
次俺の妹になんかしたら容赦しねーからな！｣

3人は迫力に押し負けて逃げるように去っていった

和｢あーぁ、埃まみれ
また母さんに怒られんじゃん
さてと、あいつの靴でも探してやるかな｣

そう言うとサンダルを脱いで川へと入っていった

ジャブジャブ

和｢あ？｣

山彰｢あるとしたら川下の方じゃ
昨日はあんまり川の流れが早くなかったからどっかに引っかかっとると思うけど｣

和｢あっそ｣

それだけ言って2人で川下へ向かい手探りで探した

和｢お、これじゃね？あいつの靴｣

和輝さんが拾ったのはAがいつも履いていた水色のサンダルだった

和｢うわ、きったね
これはもう履けねぇだろ｣

山彰｢うちで洗う｣

和｢いいよ別に
お前には関係｢ある｣.....｣

山彰｢俺がおったんに何も出来んからあいつが泣いた
俺が強かったらこんな事にはならんかった
俺にも責任はある｣

悔しかった
何も出来ずにあいつらを睨むことしか出来なかった自分が
負けたくないと思った
目の前のAを守ることができた強い男に