HAPPY BIRTHDAY。＊＊＊BLUE ページ36
sideA
・
・
・・・おめでとう。翔太。
盛り上がったインライを、そっと閉じる。
私がアカウントを持っていることは
翔太には内緒。
だから、私が見ていたことすら
きっと知らない。
このあとは、きっと。
メンバーのみんなにお祝いしてもらうんだろう。
・・・寝よっかな。
明日からまた仕事だ。
そんな現実が襲って来て
テーブルの上に乗った空っぽの缶チューハイを片手に
キッチンに立った。
去年も、一昨日も
翔太は地方へ行っていて
この日は“他の誰か”の翔太だった。
メンバーと、大勢の人に囲まれて
盛大にお祝いしてもらって
私はこの家でひとりぼっち。
【おめでとう】
スマホから送信する
たった1行のメッセージが
私からのプレゼント。
もしかしたら、今年は・・・
なんて、淡い期待を抱いていたけど
現実は、そう上手くは、行かなかった。
休日の私を起こすことなく
朝早くから仕事に出かけて行ったし
別に、私の誕生日じゃないし。
私から盛大に祝われたところで
照れくさくて困るだけだろうし。
なんて、自分を慰めながら
せっかくの日曜日を、1人で過ごした。
空き缶を濯いで
シンクに溜まった洗い物を片付ける。
水の流れに重ねるように
無意識に口ずさんだ。
「はっぴばーすでぃ とぅーゆー
はっぴばーすでぃ とぅーゆー
はっぴばーすでぃ でぃあ・・・」
無意識のはずなのに
軽く口ずさんだ、だけなのに。
その先を口にしてしまえば
きっと、寂しくて、涙が溢れてしまう。
ふぅーっと息を吐いて
シンクに流れていた水を止めた。
・・・ガチャガチャ
バタン！
バタバタ・・・
突然の物音にびっくりして
その場に立ち尽くしていたら
『ただいま・・・！』
リビングの扉を勢いよく開けて
入って来たのは
息を切らして、肩で息をした
会いたくてたまらない、愛おしい人だった。
「・・・おか・・・えり。」
『・・・おう。』
その場に荷物と被っていたニット帽を脱ぎ捨てた
翔太が、つかつかと私のところへやってくる。
その間、翔太は目も合わせずに
私をぎゅっと、抱きしめた。
『・・・間に合った。』
「へ？」
『去年も一昨日も、1人にした。』
そう言った翔太は
ぎゅっと抱きしめた腕に力を込めて
私の首筋に顔を埋めた。
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遥(プロフ) - アキネコ。さん» ありがとうございます🩷ご期待に応えらえる様、精進します！キリンの首で(え？)待っていて下さい！ウフフ♡ (11月5日 22時) (
レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - 連続コメント失礼します！！『次回作では、カップルがひとつ、増えるかも....？』遥様のそんなお言葉に期待してしまっています…！しょった誕生日おめでとうですね。次回作も首を長くして待ってるつもりです！！！続編でも頑張ってください！！ (11月5日 22時) (レス) @page38 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - アキネコ。さん» ありがとうございます！気まぐれ更新なので、気長にお付き合い頂けると嬉しいです。ちゃーんと準備してますので💛もちろん、佐久間くんも🩷( *´艸`) (11月5日 21時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - 続・イチバンになりたいのウラ待ってます…(//> <//)佐久間担だけど、どの人も毎回楽しみにししています🩷更新ファイトです！応援してます！ (11月5日 15時) (レス) @page36 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 遥さん» そうだったんですね😄了解しました❗️この話の続きも楽しみにしてますね🖤 (10月18日 22時) (レス) id: 60d138fccd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遥
| 作成日時：2023年10月2日 17時
