・ ページ13
・
・
『A先輩・・・なんか、大丈夫です？』
午後の会議が終わってオフィスへ戻る途中
後輩のモモちゃんが声をかけてきた。
「ん。なんか、変？」
『具合悪くないです？今日。』
仕事もできて周りの事にもよく気が付く後輩のモモちゃんは
私の様子がおかしいことにいち早く気づいた。
「んー。ちょっと頭痛が。」
『ほらー。顔色悪いですもん、あります？頭痛薬。』
「ん。大丈夫。」
『今日は無理しないで帰りましょうよ？私、家まで送ってきますよ？』
「え？大丈夫だよ。自分で帰れるから・・・」
地面がぐらっと揺れた気がして
目をつぶると、モモちゃんに腕を掴まれる。
『これは、早退ですね。』
「・・・・ごめん。」
『大丈夫ですよ。今日の分、後は私がやっときますんで！』
モモちゃんは、すごく頼もしくて、できる後輩。
そんな後輩をもって、本当に助かってる。
助かってるんだけど、ちょっとだけ、困ったことがある。
『そういえば、先輩、見ました？昨日の雑誌。』
「ん？」
『佐久間くんの！』
「・・・・あぁ。」
『今回もめちゃくちゃかっこよすぎて！もう！ヤバいです！
まだ見てないんですか？絶対見てくださいね！
きっと疲れも具合の悪さも吹っ飛びますから！』
・・・・そう。この子は熱烈な佐久間担なのだ。
大介と思いが通じ合う前。
せめてこの気持ちを、アイドルの大介に向けることで消化しようと
何年も佐久間担をやっていた私に
初めてできた後輩がモモちゃんで。
『先輩も佐久間くんお好きなんですか！？
実は私もなんです！こんな近くに佐久間担が！！嬉しい！！』
以降、より親近感を感じて
一緒にコンサートに行ったり、舞台を見に行ったり
一緒にこなす仕事もはかどるようになり、なくてはならない存在だけど・・・
大介と恋人同士になってしまった今となっては
どうも複雑な心境になってきてしまった。
『わわわ、ちょっと。大丈夫です？』
オフィスにたどり着いて倒れ込むようにデスクに座ると
上司の目に留まってしまい、早退するように言い渡された。
『私、A先輩を送ってきますね！』
仕事を抜けさせるのも申し訳ないと思いつつも
どんどん本格的に具合が悪くなっていくのがわかって
モモちゃんに甘えることにした。
一緒にタクシーに乗って家へ向かう。
大介の、家には向かえるはずもなく
もちろん私の家まで。
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遥(プロフ) - アキネコ。さん» ありがとうございます🩷ご期待に応えらえる様、精進します！キリンの首で(え？)待っていて下さい！ウフフ♡ (11月5日 22時) (
レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - 連続コメント失礼します！！『次回作では、カップルがひとつ、増えるかも....？』遥様のそんなお言葉に期待してしまっています…！しょった誕生日おめでとうですね。次回作も首を長くして待ってるつもりです！！！続編でも頑張ってください！！ (11月5日 22時) (レス) @page38 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - アキネコ。さん» ありがとうございます！気まぐれ更新なので、気長にお付き合い頂けると嬉しいです。ちゃーんと準備してますので💛もちろん、佐久間くんも🩷( *´艸`) (11月5日 21時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - 続・イチバンになりたいのウラ待ってます…(//> <//)佐久間担だけど、どの人も毎回楽しみにししています🩷更新ファイトです！応援してます！ (11月5日 15時) (レス) @page36 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 遥さん» そうだったんですね😄了解しました❗️この話の続きも楽しみにしてますね🖤 (10月18日 22時) (レス) id: 60d138fccd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遥
| 作成日時：2023年10月2日 17時
