ハルランマンノ ○A○RA○SHI○ (ページ38)

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「Aさん......」

背中からきこえるサトシの声が

いつもの優しいトーンに戻ったのがわかって、

少しだけホッとする。

流した涙を見られたくなくて、振り向けずにいたら

後ろでゆっくり起き上がるサトシの気配がした。

「ごめん......泣かないで。」

ふわり。と後ろから包まれて

また涙が溢れる。

こんなに優しく抱きしめられているのに

私の想いは届かないなんて

悲しすぎて。

顔があげられないまま、ポツリと呟いた。

「......私、どうしたらいいのよ......?」

私を抱きしめるサトシの腕が

少しだけ強くなる。

「......いいよ。そのままで。」

「......は？」

耳元で囁いたサトシの声に、心が震えるのに

言ってる意味がわからなくて

思わず振り向いた。

「あ(笑)Aさん泣いてるー。

んもう。かわいいなぁ.....」

低い声で罵ったサトシとは一変、

ヘラヘラ笑ったサトシは

私の頬に、チュッっと音をたててキスをした。

「......サトシ.....?」

「......なぁに(笑)」

ニコニコしながら私の前に座り直したサトシに

カチン、とくる。

「バカにするのも....いいかげんにっ.....‼︎」

「ごめんね。」

私の言葉を遮るように、サトシに強く抱きしめられる。

「いくら私だって......傷つくよ......。」

力なく呟いた私に、サトシは優しいキスをくれた。

「聞き流してって、オイラいつも言ってるじゃんか。」

「......残念ながら、全てを聞き流せるほど強くはないわよ(笑)」

「......そうだよね。ごめんね......?」

そう言ったサトシは、私を腕の中に収めて

ポンポンと、優しく背中を叩いた。

「......オイラ.....Aさんのこと好きすぎんのかな(笑)」

「......え？」

思わずサトシの顔を見上げると、すかさずチュッと唇を奪われる。

「んふふ(笑)

なんかね、Aさんの全部、オイラ仕様にしたい(笑)」

おでこをコツン、とくっつけて

サトシが笑っている。

「仕様.....?」

「うん。

Aさんの事は、どんなにちっちゃい事でも

くだらない事でも知っておきたいし、

それに...」

「......それに......?」

「......他の男に、近づけたくない。」

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