ハルランマンノ ○A○RA○SHI○ (ページ22)

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うつむいたAちゃんの目から

涙がこぼれるのが見えたから。

だけど、みっともない俺の嫉妬はとまんなくて....

「......そりゃあさ、

Aちゃんが嫌がらせ受けてたときに気づかない俺なんかより

あの時助けてくれた佐藤くんの方が何倍も......」

そこまで言った俺に

Aちゃんがものすごい勢いで近づいてきて

佐藤くんの名刺を奪ったかと思うと

そいつをビリビリに破ってゴミ箱に投げ入れた。

「......っこんなのっ‼︎

いらないよっ.....。

まーくんが......そんな顔するならっ

........こんなのっ....ふっ.....」

俺に背を向けて

ゴミ箱の前にしゃがみこんだAちゃんは

そのまま静かに泣きだした。

Aちゃんは悪くない。

名刺だって、相手を傷つけないためにもらったけど

どう返事をしたらいいかわかんなくて、

俺に相談しようとしてただけなんだ。

それなのに俺は

勝手に傷ついて、嫉妬して

Aちゃんに八つ当たりして

みっともない男だなって、情けなくなった。

「......Aちゃん。」

「......っひっく....ひっく...」

後ろから名前を呼んでも、振り向いてはくれなくて

Aちゃんの隣に、しゃがみこんだ。

「......Aちゃん、ごめん。」

「..........。」

「......今日さ、休憩中に知っちゃったんだよ。

佐藤くんがAちゃんの事気に入ってんの。」

Aちゃんは、顔をうずめたまま動かなくって

今度こそ嫌われちゃったかもって不安になる。

「......俺もう気が気じゃなくってさ。

佐藤くんと楽しそうに喋ってたし、

その....Aちゃん、収録中も

あんまり俺のこと見てくれてないみたいだったし......」

「............。」

「......Aちゃん？」

「......私は....」

Aちゃんがか細い声で話し出したから

「......ちゃんと、話そ？」

ってAちゃんの腕を引っ張って向かい合わせにしたら

そのまま一緒に

床にぺたんと座り込んだ。

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