ハルランマンノ ○A○RA○SHI○ (ページ3)

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「今日さ、アイツ頼むな。」

『そんなに心配なら、お前も来ればいいじゃん(笑)』

「それが出来ねぇから頼んでんだろ。」

『はいはい。責任持ってお守りしますよ(笑)』

「......悪りぃな、齋藤。じゃあ。」

『おう。またな』

大学時代からの友人の齋藤は

唯一俺の気持ちを知る人物だ。

もちろん俺が片想いをしていた時から知っているし

Aとこういう関係になったことも

齋藤にだけは話してあった。

「Aに悪いムシがつかないように」

酔っ払った勢いで、Aに近づいてくるヤツらは必ずいると思った。

要するに、齋藤を監視役にしたのだ。

冷静に考えれば、かなりイタい。

Aにばれた日には、

絶対に引かれるレベルだ。

だけど

そうでもしないと不安で仕事どころじゃないし

Aを誰にも取られたくない。

これまで、恋愛に重きを置いた生活をしたことがなかったから

なおさら不安になる。

俺は

呆れるくらい女々しい男だ。

辺りが暗くなった頃から、

今日最後の仕事に入る。

少しでも巻きで終われば、迎えにくらいは行けるか....

そんな事を考えていると

［はじまったぜ。］

という齋藤からのメッセージを受信する。

Aの両脇に、見覚えのある奴らが陣取っている写真付きで。

「あー。マジで帰りてぇ.....」

誰もいない楽屋に一人

その苛立ちを解消するように

つぶやいた。

マネージャーに送られて帰宅したのが11時。

そろそろ2次会に流れる時間か....

今から迎えに行けば、ちょうどよくAを連れて帰れると思った俺は

車のキーを持って玄関へと向かう。

上着を着てスマホを確認すると、タイミング良く電話がかかってきた。

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