ハルランマンノ ○A○RA○SHI○ (ページ2)

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大学卒業後も、ゼミ会は何度かあった。

だけど、俺が参加したことは一度も無い。

職業柄っていうのもあったけれど

1番の理由は

Aの事を片思いのままにして

今後も会い続けるのが辛かったからだ。

Aと一緒に過ごすようになって

意外な一面っていうのが

次々と見えるようになった。

部屋着は今流行りの

モコモコのルームウェアみたいなヤツをイメージしてたのに

俺とそんなにかわらないスウェットだし

そのカッコで前髪をちょこんと結ってメガネかけてる姿は

どこぞの女子高生かってぐらい愛らしい。

美容には気を遣ってそうなのに

酒は毎晩飲むし
(これは俺に付き合ってるだけかもしれないけど)

ものすごくこってりしたラーメンを

夜中に平気で食べたりする
(これも俺に付き合ってんのかも)

高嶺の花と言われるくらいの外見を持っているくせに

ちっとも飾らなくて、

よく笑ってるところは

10年以上経った今でも

全然変わっていないことがわかった。

それに加えて

やっぱりすごい奴だってことも実感する。

Aが俺のマンションに来ると

必ず美味いメシが出来ているし

2,3日溜まった洗濯物も

いつの間にか片付いている。

新聞は常に3紙以上読んでる上に

英米紙、仏紙、独紙も読んでる所を見た時は

さすがに置いて行かれてる感があった。

昔からデキる奴だとは思っていたけど

そういうことを鼻にかけずにサラッとやってしまう所も

俺は相当好きだった。

だからこそ思う。

なぜ俺なんだって。

大学のヤツらも、ことごとく散って行ったのを見ているし

この10年で、誰からもアプローチされなかったはずがない。

だけど、

これまで男性とのそういう経験がなかったと言ったAは

「それくらい好きだったの。」

と、頬を赤らめて告白してくれた。

その時は、俺も舞い上がったけどさ。

それって

俺じゃなくて

「嵐のサクライ翔」

に、恋してただけなんじゃねぇの？

信用してないわけじゃない。

ただ、

俺が、

本当は大したことない奴だって

知られてしまうことが

怖い。

離れて行かれることが

怖い。

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