ハロウィン番外編 ページ39
貴女Side
「おそーい。待ったよー」
準備を終えてドアを開けた途端、頭上から声が聞こえてきた。それはよく慣れ親しんだ声で。でも聞こえるはずのない声。
驚いて顔を上げると、ラテン系のその青年がニコリと笑みを返してきた。
「もしかして……ノアか？」
「大正解。よく分かったね」
ノアはそう言うが、まだ半分も信じられなかった。
私とノアは一つの身体の中にいるはず。別々になれるなんて聞いていない。
「離れられたのか？」
「いつでもってわけじゃないけどね。でも今はその話はなし。さ、お手をどうぞ、レディ」
そう言って腰をかがめながら慣れた手つきで私の手を取ると、ノアはこう言った。
「今日、君の一日を僕に頂戴？」
そう動いた唇が、軽く音をたてて私の手の甲に触れる。言葉と行為の意味がじわじわと分かっていくにつれて、顔が熱くなるのが自分でも分かった。
「……好きにしろ」
半分投げやりだったが、それが今日という日をこれまでにないほど甘美なものへと仕立て上げる魔法の呪文だったようだ。
初めて会ったときよりも成長したノアと指を絡ませて歩く景色は、ハロウィン一色で風情のない装飾でさえも美しく見せた。
“恋”
その文字が頭を埋め尽くす。
私の心臓はそれに耐えられなくてはちきれそうなほどに苦しいのに、それさえもがチョコレートよりも甘い甘い物のようで。
たくさんしゃべって、たくさん笑った。
初めてあなたが、どんな風に笑うのか見ることが出来た。
初めてがたくさんあった。
そして。
初めて本当の“二人きり”になれたのは、もう日が暮れて誰もいなくなった公園のベンチだった。
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ぽんず。(プロフ) - 美優莉さん» 少しでもお役に立てれば幸いです。これからも頑張ります！ (2015年11月4日 20時) (
レス) id: 78ac36b467 (このIDを非表示/違反報告)
美優莉 - 教えてくれてありがとうございます。これからも頑張ってください!! (2015年11月4日 19時) (レス) id: 2714492d95 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず。(プロフ) - 東堂 悠莉さん» ど、どうされたんですか！？ (2015年10月30日 21時) (レス) id: 78ac36b467 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず。(プロフ) - 美優莉さん» コメントありがとうございます！そして、すごいグッドタイミングな質問です(笑)もうすぐ彼らについて書いていく予定なので、是非ともそちらで答えを確かめていただければと思います。もうしばらく、お待ち下さい！ (2015年10月30日 21時) (レス) id: 78ac36b467 (このIDを非表示/違反報告)
東堂 悠莉 - ぽんず。さん» や、やっと見つけた……ﾊﾞﾀｯ (2015年10月30日 19時) (レス) id: 8b0cd85cc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんず。 | 作者ホームページ：http://ww.inago.@
作成日時：2015年9月4日 21時
