遅かったやんけ ページ3
｢遅い｣
｢あの、ほんとにごめんなさい。｣
｢まぁ常識の範囲内やから許したる。｣
｢そーだ！そーだ！｣
帰ってくるといつもこの一言である。遅いというのはどこいっていたんだという遠回しな言い方だって言うのは3年前に知った。
｢今日はね、カフェ行ったあとはずっとゲーセン居たのー。どっかの誰かさんのせいで遅れたけどね｣
｢いや、悪かったって。しかしなぁどんなやつか分からんとなぁ心配でなぁ｣
｢親バカ過ぎない？｣
｢アホか！世の中の親は皆心配しとるんじゃ！｣
｢そうなのか…普通なのか…｣
｢いやね？ぼくぁはね？自分の大事な娘がね？そんじょそこらの学生に釣り合うと思ってないからね？心配してるんですよ！｣
｢学生じゃ無いけど｣
｢なんや！学生じゃなかったんか！そりゃあよかった…ってなんやと！！？ニートか！｣
あぁなんということでしょう。思いっきり口が滑ってしまった…。学生じゃないようん。新社会人。そうそうニートじゃないから勝手に決めつけて頭抱えて真剣に考えないでいただきたい。
｢おま、ニートって、大先生みたいなやつなんか！なぁ！｣
｢違うってば！！さすがに私もあれは無理！｣
｢せやろ！？やめとけて！｣
｢ニートでもなければ大先生でもないって！社会人！！もう！ほんとに！暴走するな！｣
｢あ、なんや社会人か。それならまだええけど………｣
ようやっと落ち着いてくれたパパにほっと息をつきつつ今回ばかりはパパのせいで別れたくないと闘志を密かに燃やしていかねば。しかしパパのこのテンションの落差毎回驚いてしまう。どうにかしてくれ。
｢今日のご飯はハンバーグです。文句は受け付けません。｣
｢お！ハンバーグか！作ったことあるから俺も手伝ったるで！｣
｢まぁハンバーグくらいなら簡単だし有難くお手伝い願います｣
｢よっしゃ任せとけ！｣
ええ。この後あんな大惨事になるならパパに手伝わさなければよかった……。料理出来ないって言ってたのなんで忘れてたんだろうか…………………。悲しきかなまだこの時の私はあの大惨事を知る由もないのだ…。
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作者名：シャム猫 | 作成日時：2018年12月3日 22時
