【短編集】パパと私の奮闘記 (ページ2)

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デートもするお年頃なんですページ2

｢難しい顔してましたけど何かありましたか？｣
｢あー、顔に出てた？ごめんね〜｣

ほんとに申し訳なさでいっぱいである。折角のデートだというのにこんな時まで悩み事なんてもっと他に楽しい話題はないのか私。と言ってもこれは彼と付き合い始めてからずっと考えていた事なので彼に相談してもいいかもしれない。

｢しょっぴくん、実はね｣
｢は、はい。｣
｢お父さんが親バカすぎてどうやってしょっぴくんを紹介しようかなって。｣
｢は…？｣

彼の頭の上にははてなマークが浮かんでいるし、口を開けてポカーンとしている。普段あんまり表情を変えない彼のなかなかレアなとこを見てしまった。

｢ほんとに親バカで、付き合ってるとわかった途端に彼氏の事品定め始めるからどうしようかと思って…｣
｢そんなこと悩んでたんすか…。大丈夫っすよ。そういう事って大抵時が来ればすんなり事が運ぶこと多いんで。｣
｢そっ…か。そうだね！今から悩んでもしょうがないよね！｣
｢はい、それよりこのあとはどこ行きますか？｣
｢んー、しょっぴくんの好きな所で！｣

それでも親バカすぎて行動が予測できないから今は後で考えておかねばならないなと頭の隅に追いやってしまおう。

そのあとはしょっぴくんがゲーセンに行きたいと言ったので喜んでゲーセンに向かった。もとよりどちらともゲームが好きな質なのでクレーンゲームに始まりスロットやメダルゲームまで勝負しながら満足するまで遊び尽くした。ゲーセンのうるささって慣れるとむしろ心地いい。

日も傾き空が茜色になった頃、そろそろ帰ろうかとしょっぴくんのほうから切り出され待ち合わせした駅まで2人で手を繋いで歩いていく。幸せな時間が終わりを告げようとしてるのはとっても憂鬱な事だし、茜色に染っている空がさらにおセンチな気分にさせてくる.時間よ止まれーなんて在り来りな願い事も今は許されよう。だんだん駅に近づいてくのに足が重くなっている気がするな。

｢Aさん、｣
｢あ、もうついちゃったね｣
｢そんな寂しそうな顔しないでください。またお互い余裕がある時に会いましょう。｣
｢そうだね、じゃあまたね！｣
｢はい、また｣

ニコニコと手を振ってくれる彼は何だかとっても愛らしくて、彼のその人懐っこい笑い方にも惚れてしまってるのだ。次会うならいつかなぁと次を考えるのも楽しい事だ。朝は災難だったけどとっても楽しい1日になった。