五十六時限目 家庭教師を目指したらの時間 ページ12
あのあとはご想像通り。応用問題に頭を悩ませて、ペンも私も止まったまま。
そんな姿を怪訝に思ったのか安室さんが私のもとにやって来る気配を感じた。
透「どうかしましたか?」
後ろからかけられる声の主を見ることなく、私は答える。
『応用問題ってどうも苦手なんです。』
そう答えた私は手元においてある最後の手段、解答・解説に手を伸ばした。
しかしその手は空を切り、代わりに安室さんの微笑みが横にぬっと出てくる。
透「どこがわからないんですか?一緒に考えてみましょう」
その言葉に私は頷いた。
『ここの…問題がどうも苦手で…』
そう問題を指し示せば安室さんはうなずいてここは難しいですよねと笑った。
え、この人にも苦手なものとかあったの?
そう思うのも無理は無い、なんと言ってもあの安室さんだ。
そう、ポアロで課題で頭を悩ませれば…ポアロで友人と悩んでいれば。すかさずどこからともなく現れて、ササッと解決してしまう。
組織とかでは立つ鳥跡を濁さずかもしれないがポアロでは違う、立つ安室跡には黄色い歓声。そろそろそんなことわざ出来ていいのではとすら思う。
そう、それが安室透という男(?)。そんな彼にはこの言葉だ。
『才色兼備…。』
透「?ありがとうございます?」
思わず口から零れた私の言葉に首をかしげながら笑う安室さん。何人を落としてきたんだ、私も落とす気かハニートラップか?
『いえ、あまりお気になさらず…そしてこの問題はどうしたらいいの?』
そう言いながら指刺せば、笑いながら少しお借りしますねと私の手からペンをスり、トントンと該当する教科書の部分をさしながら解説した。
分かりやすすぎる!
透「と、いうことです。どうですか?」
『要するに…この式でこれとこれを入れ替えて、yの値を求めて…下のこの式に代入すればいいんですね?』
そうまとめて聞き返せばその通りですと頷いてくれる。
透「それが時終わったらご飯にしましょう、キッチンお借りしました。答え合わせはそのあとです。」
そういった安室さんはまた微笑んで、隣から私の手元を覗き込む。
家庭教師を目指したらどうだろうか、この人は。
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全自動駄作製作機(プロフ) - 死蝶さん» ありがとうございます!!これから頑張るので引き続きよろしくお願いします! (2019年10月15日 1時) (レス) id: 99185e6b59 (このIDを非表示/違反報告)
全自動駄作製作機(プロフ) - のん@天使から墮天使さん» 前回からこれだったので気にしたことないですね…。次の更新のときにはずしときます、ありがとうございます! (2019年10月15日 1時) (レス) id: 99185e6b59 (このIDを非表示/違反報告)
死蝶(プロフ) - この作品大好きです!続き見たいです! (2019年10月14日 20時) (レス) id: 3d51fd0542 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - この画像って著作権とか色々大丈夫ですかね? (2019年8月15日 12時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
全自動駄作製作機(プロフ) - 極・吹雪姫さん» なんと...女性陣では個人的にトップメンバー…いいよね…分かる。あそこ絡ませるから待ってて!←あとコメありー!ちなみに男性陣では?(赤井さん最推し) (2019年7月6日 23時) (レス) id: 0dd1e517ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dear. Music『@』. 別アカ:全自動駄作製作機 | 作成日時:2017年11月3日 22時