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ドアにピッタリ耳をつけて外の音を聞く
男はどこかに行ったのか物音ひとつもしない
急いで机の上にあった鏡を地面に落とす
怪我など心配してる暇はない
ガラスを掴んで手のロープを切る
どうせドアには鍵が掛かっているだろう
幸いにも窓は無防備だ
血だらけの手で窓の鍵を開けた
「 .....マジか 」
なんとまあ高層階
多分20階くらいだろう
だがしかしあの男は馬鹿である
何度も言う、大馬鹿である
でも私も心の余裕がない
本当にここから飛び降りて死んでしまいたい
そんなことしたらジョングクに怒られてしまう
私はカーテンを引っ張って破り身体に巻き付ける
左に逃げたと思わせるように左の防火扉を蹴破る
私は外を伝い右隣の部屋のベランダに逃げ込み窓を叩いた
カーテンレースが開いて私の姿を見た男女がギョッとして窓を開けた
「 ど、どう...え！？は！？ 」
「 ごめんなさい、通ってもいいですか？ 」
「 ....もしかして隣の 」
「 ごめんなさい 」
男女は何かを察して私を中に入れピシャリと二重窓を閉めた
「 ...貴方アイドルのAさんね
大丈夫、何も聞かないわ
でもその怪我の手当だけさせてくれるかしら 」
「 でも... 」
「 お風呂に入っておいで
流したいでしょ 」
「 ッ....はい" 」
彼女の言葉に張り詰めていた糸が切れ
滝のように涙が溢れた
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作者名：胡桃 | 作成日時：2021年1月12日 14時
