らくだい魔女 〜貴方への変わらない愛を〜

〜変えないといけないんだ〜 ページ21

制御不能なこの力…
この力でみんなを守る。
そしてキースを止めるんだ

「銀の城の者と悠久をともにする風よ、いまこそ、われに力をかしたまえーー…」

いままでも力を使ったことはあったけどこれほどの魔力が溢れ出るのは初めてだった

「フウカ…いいよ。今まで僕は君にひどいことをしてきた。気兼ねなく僕を倒せるだろう」
「キース…」

キース、ごめんね…
そう思いながらキースを倒すことは…

…出来なかった。
力が抜けて、風が弱まった

「…やっぱり…できない…」
「やらなくちゃならないんだよ、君は…」

キースのその言葉にビクッとした
やらなくちゃ…？そうだ…どこかであの子と約束したんだ…
その時、私の手に何かが触れた

「チトセ…カリン…カイ…」

みんなの手だった

「さっき誓ったろ？」
「私たちがいるわ」
「1人じゃないよ」

3人の言葉に覚悟を決めた私は、体に負担がかかるほどの最大限の力を出した

「キース！みんな！！ありがとう！！！」

風が舞う中、聞き覚えのある声が聞こえた

《貴方のおかげで、私は救われました…》
「貴方…は？」
《混血のプリンセスです…奇跡は起きたのです…ありがとう…フウカ。》

優しいその子の言葉はスっと風に乗って消えていった
あぁ、貴方ね…よかった、救えたのね…
風がおさまったその空間は静かで、みな言葉を発する気力もなかった

長いようで短かった、私達の戦いは幕を閉じた

〜変わらないものはいつもここに〜→←〜変えられるのは私だけだから〜

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