本能の牙【M.Yosinori】 (ページ3)

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不仲説ページ3

いつも通り､恭平と稽古場へ向かう。

今日は昼からのレッスンだったので早めに出て途中で買った物を飲みながら2人で歩いていた。

すると後ろから急に

？「あの！…高橋兄弟ですか？」

恭「え、あ。そうっす。」

？「あっ。あの！ファンなんです！」

振り向けばファンである女性が二人立っていた。
目を輝かせてこちらを見ている。
よっぽど応援してくれている人なのだろう。
さっきからチラチラと見えるスマホのロック画面の画像が自分達だ。

「そうなんですか、いつも応援ありがとうございます！」

ﾌｧﾝ1「高橋兄弟2人ともイケメンでもう、これからも全身全霊で応援します！」

ﾌｧﾝ2「名前ちゃんも絶対ユニット入りしてください！！」

「はい！頑張ります！」

そう応えれば話は終わりかなと思っていた。
が、

ﾌｧﾝ2「あの、質問なんですけど。その……」

彼女はモゴモゴとなにか言いづらそうにしている。すると隣の子が、

ﾌｧﾝ1「あの、正門くんとの不仲説ってホントですか？」

ﾌｧﾝ2「最近ブログにもお互いの名前あがってないし…ライブとかでの絡みがグンって減っちゃってて……」

痛いところをつかれた。
そっか、不仲説か。それだったら正門くんの方に少し迷惑がかかる。
あの人には変なリスクを背負わせたくない。

「いや、そんなことないですよ？ただ、正門くんみんなの人気者過ぎて最近話せてないだけで。」

恭平「マジであの人柄だから人気者なんすよ」

ﾌｧﾝ2「そうなんですね！！！よかったぁ…。ブログとかでまた、近況報告とか待ってます！」

ﾌｧﾝ1「長い間足止めしちゃってすみません…！稽古頑張ってください！」

2人と握手を交し別れれば
また稽古場へと向かう。

不仲説か……。

けど、これ以上の距離をつめると自分が正門くんを傷つけてしまう。

難しい。