壱 ページ2
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小鳥のさえずりがのびのびと響く昼下がり。酷く心地の良い風に吹かれ、純白の髪が蝶屋敷の前でふわりと
「……あら、Aさん。いらしたんですね。」
『いつもごめんね、しのぶちゃん。』
「いえ、お気になさらず。どうぞ、上がってください。」
門口に顔を出した屋敷の主、胡蝶しのぶに言われるまま屋敷の中に入ると、そこで働く子供がこちらに向かって丁寧にお辞儀をする。
確か、名をアオイ。いつもテキパキと手際良く、しのぶの手伝いをしている非常に可愛らしい顔をした娘だ。
顔を上げた彼女にふっと微笑むと、彼女はもう一度軽く頭を下げ、スタスタと奥へ行ってしまった。
「また2週間分出しておきます。用意するので、少し待っていてください。」
連れられた部屋に腰を下ろし、別室へと向かったしのぶの背中をぼんやりと見つめる。
……続けて半年、効果があるのか無いのかは正直いまいちわからない。が、続けることに悪いことなはい。
既に出されていた湯のみに手をつけ、ゆっくりと香ばしい茶を口に流し込む。茶葉の香りが、これでもかと鼻に広がった。
「お待たせしてすみません。2週間分です。」
温かい茶を飲み心落ち着かせていれば、白い袋を持ったしのぶが戻ってきた。
どうぞ、と差し出された袋には頼んでおいたものがしっかり入れられている。
「いつも言っていますが、飲みすぎはいけませんよ。頼りすぎるのも駄目です。」
もらった袋を懐にしまっていると彼女が少しだけきつめの口調で言う。それはもう聞き飽きた。コレを渡す時、しのぶはいつも決まり文句の様に言うのだ。
実際、薬の多量摂取というのは体に害しかなく、決められた一定の量以上を服用すればそれはやがて死へと繋がることもある。
それは重々承知だ。承知の上で、多量摂取を試みたことがあるなんて言えるものか。
『……わかってる、大丈夫よ。』
「なら良いのですが。」
『そんなに心配？』
いつもの様に微笑みかければ、彼女の顔はより一層曇ってしまう。困ったものだ、それほどまでに疑われているとは。
「……とにかく、私の言ったことは守ってくださいね。」
彼女の口から漏れた珍しいため息に、苦笑いを浮かべ返した。
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あるでんと(プロフ) - みぃさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです。ノロノロペースですが更新がんばりますね。ぜひこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月24日 1時) (
レス) id: 484fc6b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - とても面白くこの作品が大好きです。自分のペースで更新頑張ってください (2020年2月23日 23時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
あるでんと(プロフ) - そらねこ。さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてなによりです、自分のペースにはなりますがこれからも更新頑張っていこうと思いますのでよろしくお願いします。 (2020年1月29日 14時) (レス) id: 484fc6b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
そらねこ。 - すごく面白いです！無理せずに更新頑張ってください (2020年1月27日 23時) (レス) id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるでんと | 作成日時：2020年1月15日 23時
