story.57 ページ10
「と、止めるな!!」
「陛下も輪切りになりたいか? カービィは今や無敵」
「く〜っ! 無敵にしたのは誰ゾイ!?」
「裏切者めが!」
「──滅相な。私は陛下の忠実な僕、ですッ」
装甲車の上からガヤガヤと騒ぎ立てるデデデとエスカルゴンに対し、小さな笑い交じりに返したメタナイトは、言葉の終わりと共に目の前の車を思い切り蹴り飛ばす。
容赦なく、かなりの衝撃が与えられたらしい装甲車は、背後の下り坂に従い、僅かにでも逆らうことが出来ずに、そのまま勢いよく後退し地の果てで大爆発。
「……もしかしてアレ、怒ってんのか?」
「陛下に良いように利用された事を不服に思っているんです……」
大分遠くまで行ったせいか、あの煙の細さがまた虚しさを誘う。
肩を竦めるような調子で小声で聞いてきたパンサーに、苦笑して答えるA。
まあそういう事なら気持ちもわからなくはないが、それとこれとは話が別だ。
今日、カブーから聞いた言葉を思い出したパンサーはメタナイトの背後に歩み寄る。
「ありがとよ、カービィを立派なソード遣いに鍛えてくれてさ」
「……私が? 私は倒すつもりだった」
「それにしちゃあ親切だよなぁ」
皮肉交じりに言ってやっても、相変わらず涼し気な態度のままでいるのがこの騎士。
だが割れている事は割れている、彼はブンの指摘に乗じて更に強気に出た。
「カービィはナイトメアの生んだ失敗作って? アンタは何もかも知っているのか?」
「……何の事かな」
今此処でどんなに問い詰めたところで、彼はあくまでも白を切るつもりらしい。
妙に穏やかな口調なのがまた、なんだか癪だとパンサーは唸る。
そう簡単に口を割ってくれるような相手だとも思ってはいなかったが──。
良いだろう、そっちがそのつもりなら俄然やる気が湧いてくるというものだ。
「今に解いてみせるぜ、カービィの秘密を!」
何も答えないメタナイトに、敢えてこれは彼からの挑戦状だと受け取ったパンサーは、ロロロやラララと手を繋いで、宙を浮遊しながら笑うカービィを見上げた。
「(…………失敗作?)」
何も聞かされていないAは一人、置いてきぼりを食らって首を傾げさせる。
カービィ、ナイトメア、それらに関連する真実をメタナイトが知っている?
パンサー達が何処でその情報を得たのかもわからない彼女の疑問は、彼女の胸中でただ微かに渦巻くだけであった。
〜・・〜・・〜・・〜
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Laven - Taruruさん» いいえ、こちらこそコメントくださって本当に嬉しいです! 作品をUPし始めたのも見切り発進なところがあるので、本気で頑張ります…… (2017年10月23日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - Lavenさん» 返信ありがとうございます……ひぇえまさかLavenさんに見て頂けていたとは……!恐縮です……。全く気持ち悪くないですし非常に嬉しい限りです、ありがとうございます!一緒に頑張りましょう〜。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - Taruruさん» コメントありがとうございます〜!! 恐れ多い褒め言葉です嬉しいです……実は私もTaruruさんの作品の更新をひっそり心待ちにしています(気持ち悪い発言ですね御免なさい)。こちらは大変遅筆な作品ですが、気長に閲覧くだされば幸いですm(_ _)m (2017年10月22日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!文章の書き方が好きで最初の方から見させて頂いております!更新頑張ってください! (2017年10月21日 22時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - 咲良さん» うわわぁぁ〜〜!! コメントありがとうございます! 更新もストーリー進行ものろのろですが、閲覧してくださって嬉しいです……頑張らせていただきます……!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laven | 作成日時:2017年10月14日 13時