【星のｶｰﾋﾞｨ】滅びた星に...【part2】

story.90 ページ43

あの後、Aとブンとトッコリは、カービィと切り離された状態で解放された。

半ば強制的にパームとメームの許へ戻ってきた形だが、カービィをどうするつもりなのかと問いかけても、デデデ等は取り合わず。

また、その日の内に、デデデロイヤルカントリークラブとやらは立派に完成した。



「この栄えあるプププランドにこのような超高級ゴルフクラブの誕生は、誠に麗しく」



――ゴルフクラブの完成記念式典も、そのものが完成されて間もなく行われている。

式典には村中の人々が集まったが、誰もが良い顔をせずに、エスカルゴンの妙に達者な式辞を聞かせられながら、デデデの姿を見上げていた。



「唯一の会員で在らせられるデデデ陛下と、永遠のギャラリーのお前ら貧しき人民共の友好の証として、永遠に記念されるでゲスー!」


「でも! 森が無くなっちゃって良いの!?」

「良いのっ」


「ウィスピーも切ったんですか!?」

「切ったゾイ! あんなのは薪にして燃やしてしまったわ!」



子供代表のイローの抗議の声には、式辞を終えたエスカルゴンがぴしゃりと返し、ハニーの問いかけには、デデデが如何にも誇りを以てして答える。

会場全体としては、村人達の間で不平が充満していた。
だが、この空気感に呑まれてしまうようなプププランドの大王ではない。

そこで両者の前に堂々と躍り出たのが、今朝方、名目上では“保護された”者達であるAとブンの二人であった。



「皆さん、彼は環境の敵です!」

「森を返せーっ! ウィスピーとカービィを返せーっ!!」


「――兵士! マナーの悪い客は排除せよ!」



普段の温厚なAならあり得ないその立ち振る舞いに、村人達は目を見張った。
更に弟のブンまで加勢したところを見て、ただ事ではない様子を見て取ったという。

二人は、デデデの支持の下、兵士達がかざす槍の切っ先を向けられても決して怯まずに、負けじと己の意志を乗せた言葉を重ね続ける。



「ウィスピー様は命のもとです! 彼が失われれば、どんなに恐ろしい事になるか――」

「ウィスピーウッズは消えたが、タイ○ーウッズがここにおる! その記念すべき初ショットのついでに、カービィをショットするゾイ!」



――しまった。デデデの視線が、式典の準備の最中に設置されたゴルフボール代わりのカービィへと向けられた時、Aはほぞを噛む思いがした。

この抗議運動は、少しでもデデデの意識をカービィから逸らす意味合いもあったのだ。

story.91→←story.89

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す