【星のｶｰﾋﾞｨ】滅びた星に...【part2】

story.70 ページ23

一方、平原の真っ只中で魔獣と対峙し続けているパンサー達の許では。

彼等は細道の水路に身を隠していたカービィをようやく見つけ、やはり彼の頭上で黒い渦を巻き続ける雲を睨みながら、Aが戻って来るのを待ち続けていた。

カービィが隠れて居る限り彼方からの攻撃はないが、此方からも攻撃は出来ない。



「カービィ、あの雲を吸い込めないのか?」

「そうだよ! 逃げてばかり居ないで、やってみたら?」

「…………」



Aも中々戻って来ないからか、痺れを切らしたブンとロロロに促され、自信の無さそうに、雲を見上げていた顔を下げるカービィ。

幾ら戦士とはいえ、先程まで何度も雷に襲われたのに懲りてしまったのだろう。



「大丈夫だよ、お前なら出来るよ!」

「そりゃあまりにも無責任だぜ、ブン……」



星の戦士なら間違いない、根気強く励ますブンに対して、カービィが俯いてしまうのも無理はない、とパンサーは困り果てて告げたが──

ブンの発破が効いたのか、キリリと頭上を見据えた彼は水路から足を踏み出し、自ら危険の中に飛び込んで行ってしまった。

そして上空に向かって吸い込みを始めるが、暗雲は物ともせず、嘲笑うようにカービィを仕留める雷の攻撃を下してくる。

それに驚き飛び上がったカービィはやはり再び逃げ惑うハメになり、ブンを背に乗せたパンサーが慌てて後を追いかけた。



「カービィ!!」



元々、体躯が小さいからか地上を駆けまわるスピードは早かった彼が逃げ続ければ、不幸中の幸いと言うべきか、万一にも雷が当たる事は無いようであった。

だがそこへ次なる障害が現れたなら話は別だ。

どこへ行くかも定めずに走り続けたカービィの目の前には、謀ったかのように、デデデとエスカルゴンが装甲車に乗って立ちはだかった。



「逃げるな! 雷に撃たれて昇天するゾイ!」



敵は地上と上空、対比する場所に居るが、これでは挟み撃ちにあったも同然だ。
ただ、空の敵はどうにも出来なくても地上の相手は自分達にも対処は可能。

咄嗟の機転を利かせて近くの元外壁の瓦礫の許に駆け付けると、その窓口から向こう側に顔を出し、此方へ来るように呼びかける。



「カービィ、こっちだ! この壁を使って、飛んで避けろーっ!!」



パンサーの必死の叫びはカービィに届き、言われた通りに走り抜けた彼はすぐに地を蹴って飛び、更に目前の外壁を蹴って装甲車の突進を往なした。

story.71→←story.69

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す