story.64 ページ17
以降も暫く、一行が少しでもカービィの姿を見かけるような事は無かった。
魔獣の潜む黒雲が近いから、カービィがこの辺りに居るのに間違いはない筈だが。
或いは、此方では探しに行けないような狭い場所に隠れている可能性もある。
となると、此方からカービィを見つけるには彼が出て来てくれるまで待つしかない。
「(可哀想に、反撃も出来ずにただ攻撃されて……きっと怖がっているんだわ)」
敵もカービィの姿を見失ったのか、今は轟々と雷の音を内に潜ませながら地上の様子を窺っているように思える。ここ暫くの間は稲妻も落ちていなかった。
いよいよ空から探索の出来るロロロやラララ、地上を素早く移動できるパンサーや、地道に辺りを見回っていたブンもAの許に戻ると、お手上げ状態を示す。
「どこにも居ない! 隠れてるんだと思うけど……!」
「……空に居る敵では勝負になりませんね……」
「こんな魔獣初めてだぜ……」
一つ息を吐いたAが上へ視線を向けたまま返すのに、ブンも暗雲を見やる。
これまでに寄越された魔獣は巨大タコ、超重密度の岩ブロック、剣遣いの巨大昆虫。
どれも今回のような遥か彼方から攻撃をしてくるような相手ではなかった。
確かに、あんなに空高くから攻撃されてしまっては此方もどうしようもない。
だが、奴に対抗するには此方が相手の懐まで飛び込めさえすれば良い訳だ。
ブン達が探索をしている間に考える時間を得ていたAは、たった一つだけあの魔獣を倒す為の方法を見つけていた。
「…………恐らく、アレを使うしか……」
「なにを……?」
口元に片手を宛がい、呟くような声で言ったAにブンが反応する。
もしかして、何か敵を倒せる手段が見つかったのか? そんな期待を込めた視線が後者から前者に注がれた時、空から地上へ視線を落としたAは行動を開始した。
「三人共、ブン様をお願いします。ここで待っていてください」
カービィが動き出さなければ、敵も攻撃はして来ないだろうから大丈夫だと思うが。
念のためにロロロとラララ、そしてパンサーにブンを守るように頼んだAは一人、定めた目的地へ一直線に向かって走り出した。
──そこに、彼女が今朝から求めていた真実が待ち構えているとも知らずに。
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Laven - Taruruさん» いいえ、こちらこそコメントくださって本当に嬉しいです! 作品をUPし始めたのも見切り発進なところがあるので、本気で頑張ります…… (2017年10月23日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - Lavenさん» 返信ありがとうございます……ひぇえまさかLavenさんに見て頂けていたとは……!恐縮です……。全く気持ち悪くないですし非常に嬉しい限りです、ありがとうございます!一緒に頑張りましょう〜。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - Taruruさん» コメントありがとうございます〜!! 恐れ多い褒め言葉です嬉しいです……実は私もTaruruさんの作品の更新をひっそり心待ちにしています(気持ち悪い発言ですね御免なさい)。こちらは大変遅筆な作品ですが、気長に閲覧くだされば幸いですm(_ _)m (2017年10月22日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!文章の書き方が好きで最初の方から見させて頂いております!更新頑張ってください! (2017年10月21日 22時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - 咲良さん» うわわぁぁ〜〜!! コメントありがとうございます! 更新もストーリー進行ものろのろですが、閲覧してくださって嬉しいです……頑張らせていただきます……!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laven | 作成日時:2017年10月14日 13時