story.62 ページ15
跳ね飛ばされたカービィは近くの池の落ち、水面に浮かんだ状態で目を回していた。
こうしている間にも、またあの渦を巻く暗雲が此方に向かって来ている。
今は何としてでも“アレ”から逃げおおせなくてはと、急ぎカービィを引き上げた。
「大丈夫ですか!? しっかりしてください、ここは危険です! ──パンサー!!」
カービィの手を掴み、再度走り出したAが獣の名を呼んだほんの数秒後。
傍らの空間が歪んで場に現れたパンサーは、すぐさま危険を察知して二人を背に乗せたが、あまりに過激な事態に驚き悲鳴をあげる。
「うわぁぁあっ!? こんな時に呼ぶか、フツー!?」
「ごめんなさい! なんとかあの稲妻を避けて!」
せめて多少は状況が落ち着いてから、とか何とか小言を発する余裕はあるらしいパンサーの声に対し、短く言い切ったAも僅かに出来た余裕の中で空を見た。
やはり、雲は懲りずに自分達を追いかけながら攻撃を仕掛け続けている。
十中八九、戦士であるカービィが目的だとは思われるが、相手の正体は掴めない。
だがその黒雲から落とされる雷は、常に走る自分達の背後に落ちていた。
「これは、ただの稲妻じゃ……」
「雲の方から魔獣の臭いがするんだ、早く逃げないと! ──あっ、カービィ!」
一見ただの暗雲に見えるが、あれは間違いなく意思を持った魔獣だ。
自身の嗅覚がそう捉えていると、パンサーがAの呟きに答えるや否や。
次に起こったハプニングは、右へ左へと急速に駆け回っていたパンサーの背からカービィが振り落とされ、遠くに転がって行った事。
ああ、しっかり掴まっていないからなんて嘆くのも後の祭り。
彼は単身で落雷から逃げる羽目になり、Aとパンサーは呆然とそれを見送る。
カービィが離れて行くのに従って、暗雲もまた二人の許を、まるでその存在を初めから知らなかったかのように離れ去って行った。
「……アイツ、カービィを狙っているんだ。近づかなきゃこっちに被害はない……」
「空の魔獣だなんて……。パンサー、急いで後を追いましょう」
反撃も出来ないのでは、ああして逃げ惑う意外の手段は残されて居ない。
しかも、カービィが走って行く方角には人々が住む村がある。
対抗手段がない時点で既に被害は避けられないものとなっているだろうが、あの魔獣を攻略するために考える時間くらいは、なんとかすれば作れる筈だ。
決断したAが先を促したのに、小さく頷いたパンサーは再び走り出した。
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Laven - Taruruさん» いいえ、こちらこそコメントくださって本当に嬉しいです! 作品をUPし始めたのも見切り発進なところがあるので、本気で頑張ります…… (2017年10月23日 14時) (
レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - Lavenさん» 返信ありがとうございます……ひぇえまさかLavenさんに見て頂けていたとは……！恐縮です……。全く気持ち悪くないですし非常に嬉しい限りです、ありがとうございます！一緒に頑張りましょう〜。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - Taruruさん» コメントありがとうございます〜!! 恐れ多い褒め言葉です嬉しいです……実は私もTaruruさんの作品の更新をひっそり心待ちにしています(気持ち悪い発言ですね御免なさい)。こちらは大変遅筆な作品ですが、気長に閲覧くだされば幸いですm(_ _)m (2017年10月22日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！文章の書き方が好きで最初の方から見させて頂いております！更新頑張ってください！ (2017年10月21日 22時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - 咲良さん» うわわぁぁ〜〜!! コメントありがとうございます! 更新もストーリー進行ものろのろですが、閲覧してくださって嬉しいです……頑張らせていただきます……!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年10月14日 13時
