story.61 ページ14
頭の上にトンボが止まっていた事には気づかず、カービィがそれに飛びついて来たのは予想外の出来事で、対処出来なかったAの身体は後ろに倒れる。
そして仰向けになって見えた青の中、愉快な此方の姿を見て笑ったトンボが、スゥっと空高くへ飛んでその姿を消して行った。
カービィは相変わらず興味津々でそれを見上げていて、身体を起こしたAはまた困った表情をし、小さく溜息を吐きながら星の戦士の姿に視線を注ぐ。
「……やっぱり、貴方ではなく“彼”に聞くべきなんでしょうか……」
元よりカービィは言葉を話すのが苦手なのだ。そうとわかっているなら、彼自身をよく理解しているらしい者をあたった方が早かったのかもしれない。
でも、“彼”はこちらが聞いてもなかなか全てを明らかにはしてくれないから──だからカービィに少し期待してしまった。そんな自分にも呆れたくなる。
ただ目の前の戦士とふと目が合って、向こうからへらっとした笑いを見せられれば、眉を下げていたAもつい、つられて笑みを浮かべてしまった。
……そうして、和むような穏やかな時間が流れたのも束の間。
頭上から何か轟くような音が聞こえて来て、彼等は二人して空を見上げる。
すると、彼方から酷い暗雲が此方を狙うかのように青空を移動するのが見え、やがてその暗雲は、二人の立つ場所に広大な影を落とした。
「…………カービィ、気を付けて……!」
一定の大きさから広がりを見せない黒雲が、自分達の真上まで来て動きを止めた。
その不可解な現象に、即座に意志あるものを感じ取ったAは警戒心を強める。
更に彼女達が見つめている手前、所々で小さな光を帯びた雲は、ついに、ある存在を目がけて稲妻を落とした。
「──避けて!!」
直前に落雷を予感したAがカービィに告げながら、その場から大きく退く。
カービィもまた間一髪のところで雷を避けたが、その後も雲は二人を狙い続けた。
絶え間なく落とされる雷に、一先ず逃げなければと揃って目的地も定めず駆け出す。
しかし、途中の木の根に足を引っかけたカービィが思い切り転倒すると、今こそと言わんばかりに一本の木もろとも彼に落雷を向け──。
「カービィっ!!」
後ろで彼が転んだのに気が付き振り返っていたAは、今度は衝撃で軽々と飛ばされて行くカービィの後を追い無事を確かめた。
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Laven - Taruruさん» いいえ、こちらこそコメントくださって本当に嬉しいです! 作品をUPし始めたのも見切り発進なところがあるので、本気で頑張ります…… (2017年10月23日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - Lavenさん» 返信ありがとうございます……ひぇえまさかLavenさんに見て頂けていたとは……!恐縮です……。全く気持ち悪くないですし非常に嬉しい限りです、ありがとうございます!一緒に頑張りましょう〜。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - Taruruさん» コメントありがとうございます〜!! 恐れ多い褒め言葉です嬉しいです……実は私もTaruruさんの作品の更新をひっそり心待ちにしています(気持ち悪い発言ですね御免なさい)。こちらは大変遅筆な作品ですが、気長に閲覧くだされば幸いですm(_ _)m (2017年10月22日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!文章の書き方が好きで最初の方から見させて頂いております!更新頑張ってください! (2017年10月21日 22時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - 咲良さん» うわわぁぁ〜〜!! コメントありがとうございます! 更新もストーリー進行ものろのろですが、閲覧してくださって嬉しいです……頑張らせていただきます……!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laven | 作成日時:2017年10月14日 13時