story.60 ページ13
〜・〜・〜
一方その頃、問題のカービィの家では。
此方でも、朝っぱらからトッコリの甲高い声が絶え間なく放たれていた。
「違う違う、不器用な奴め! シーツはもっとピンと張れ! それじゃあシワシワだろうが! んとに、愚図な奴!」
「どなたがです?」
「そりゃ、もちろん──はっ」
──カービィは言葉を喋らない。ふと飛び込んだ問いかけに、つい当然のように答えようとしたトッコリは、不用意に何かを言い放つ前に息を呑んだ。
それから振り返りもせず、その声でAが此処へやって来たのだと悟った様子の小鳥は、途端に素知らぬ顔で口笛を始めて場を誤魔化そうとした。
しかし、その下手な対抗はAには通用せず。
「トッコリさん、またカービィに働かせて……」
「おいおい、教育と言え! アイツ、自分の顔の洗い方も知らねえんだ!」
あんまり困った事はしないで欲しい、とむすっとして述べるAに言い訳をしたトッコリの示した先で、ベッドを綺麗に整えようとしていたカービィは
枕の上でくるんと転がり、余計にシーツを皺くちゃにする始末。
……確かに、一召使いとしては見逃せない醜態である事は否定できないが……。
「な?」
「……カービィ、此方にいらしてください」
反論を諦め、窓から顔を覗かせて居たAは扉から表に出るようカービィを促す。
この誘いに満面の笑みを浮かべたカービィは、飛び出すようにして扉を開け、家の近くに佇む木の傍で立っていたAの許に駆け寄った。
片や、やって来たカービィに視線を落とす彼女は、溜息交じりに独り言ともとれる嘆きを零す。
「自分のベッドを取られた上にあんな事をさせられて居たなんて……」
「そんな話、通じるもんか! コイツは生まれつきおめでたいんだ! はははは!」
「……もう、トッコリさんは呼んでいません!」
嫌なら嫌と言え、と本来であれば聞かせるところだが、そもそもカービィには、トッコリの指示に対して“嫌だ”という意思がないのだ。
豪快に笑い飛ばして少しも悪気を感じて居ないらしいトッコリを家の中に追い返し、Aは尚も純粋な表情で自身を見上げる星の戦士に、改めて向き直った。
「カービィ、貴方とお話したい事があるんです。あの星の乗り物の事で……」
「ぽよ!」
「──きゃあ!?」
話を切り出している途中で、カービィの視線の位置がおかしい事には気が付いたのだが……。
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Laven - Taruruさん» いいえ、こちらこそコメントくださって本当に嬉しいです! 作品をUPし始めたのも見切り発進なところがあるので、本気で頑張ります…… (2017年10月23日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - Lavenさん» 返信ありがとうございます……ひぇえまさかLavenさんに見て頂けていたとは……!恐縮です……。全く気持ち悪くないですし非常に嬉しい限りです、ありがとうございます!一緒に頑張りましょう〜。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - Taruruさん» コメントありがとうございます〜!! 恐れ多い褒め言葉です嬉しいです……実は私もTaruruさんの作品の更新をひっそり心待ちにしています(気持ち悪い発言ですね御免なさい)。こちらは大変遅筆な作品ですが、気長に閲覧くだされば幸いですm(_ _)m (2017年10月22日 14時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!文章の書き方が好きで最初の方から見させて頂いております!更新頑張ってください! (2017年10月21日 22時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
Laven - 咲良さん» うわわぁぁ〜〜!! コメントありがとうございます! 更新もストーリー進行ものろのろですが、閲覧してくださって嬉しいです……頑張らせていただきます……!! (2017年10月14日 19時) (レス) id: 8121ec6dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laven | 作成日時:2017年10月14日 13時