story.8 ページ9
人の危機には助けてくれたかと思えば、辺り構わず走り出したりと、出会ったばかりとはいえさっぱり行動の読めない戦士だ。
冷静に一呼吸置いたAは、そっとカービィの身体を起こさせながら語りかける。
「カービィさん、お気持ちは察しますが、まずは少し落ち着いてください」
「かーびぃ、さん?」
だが、彼はAが誰にでも敬称を付けて名を呼ぶそれが理解出来なかったらしい。
──自分は“カービィさん”なんて名前じゃない、“カービィ”だよ。
そんなちょっとばかりずれた思考が表情から伝わって来た気がして、つい小さく吹き出した彼女は、改めてその名を呼び直した。
「すみません──カービィ、自己紹介がまだでしたね。私はAといいます」
「…………A?」
「…………!」
「A!」
此方から話しかけた手前ではあるが、まさか言葉のやり取りが叶うとは思いもしなかったAが、驚きに目を見開くのに対し、カービィはふんわりとした笑顔を見せている。
瞬間、胸の辺りがきゅっと締め付けられたような感覚のしたAは、またしても自身の胸元を抑え、口を噤んでしまった。
「その人は俺の姉ちゃんなんだ。俺達、大臣の子供なんだぜ。で、俺は弟のブン!」
「ブン」
「僕は召使いのロロロと──」
「ラララよ!」
「ロロロ、ラララ?」
Aに続き、ブン達も今更と思えるほど遅い気のする自己紹介をすれば、同じように一人一人の名前を反芻しているカービィだが、わかって言っているのか。
いや、わかっているのだと信じたい。彼は確かに自分達の名前を呼んだのだ。
「なーんだ、わかんじゃねーか!」
ロロロやラララと揃って笑うブンも、Aの意思を写し取ったかのように言った。
どうやら彼は、此方の伝えたい事は理解しても多くを話す事は出来ないだけらしい。
思い出してもみれば、Aが初めに彼に“貴方がカービィか”と問いかけた時に良い反応をしていたのだから、それは確かだろう。
これなら彼を眼下に見えるあの村まで連れて行くのも難しくなさそうだが……ブン達が一頻り笑い終え、誰かが次の行動をとろうとした時、次なる騒動が起こる。
「魔獣め、そこを動くなー!!」
「「「うわぁっ!?」」」
近づいて来る機械音と共に飛び込むデデデの声に気が付き、視線をずらしてからは殆ど誰もが本能的にその場から動き出していた。
宙を飛ぶロロロとラララは空に逃げ、Aはブンを守る為その身を抱えて遠方へ。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
