story.6 ページ7
〜･〜･〜
「カービィさーん!」
「どーこだーっ?」
崖下は足場が安定せず危険だからと、先を進むAの後に続くブン。
ロロロとラララはAの指示で、いつブンが落下しても拾ってやれるように傍についていながら、カービィが何処に消えてしまったのかと辺りを見渡していた。
そして何処まで落ちたかわからない小さなピンク色を一番に見つけたのは、やはりと言うべきか、最も先へ行っていたAだ。
「…………!」
星の戦士は崖の途中の小さな足場に着地して無事なようだが、突然デデデに突き飛ばされたショックで怯み、その場から動かずに居る。
その姿を見つけて、条件反射で呼びかける前に、Aの脳裏にふと、デデデとエスカルゴンの発言が過る──真の戦士なら、本当の戦士なら──。
思考したAは何も言わないまま、音も無く崖上から身を放り出していた。
「姉ちゃん!?」
驚いたブンの呼びかけを聞いたのか聞かなかったのか、応じる事をせず、ただ真っ直ぐに底の地面に視線を向けるAは祈る思いで彼の名を口にする。
「──カービィ!!」
彼の戦士としての力が如何なるものか、自分が全く知らないのも当然だが……。
カービィが何らかの方法でこの身を救ってくれる事を期待しつつも、数秒後に来る痛みを覚悟して、強く目を瞑る。
直後に背中に柔らかな衝撃を感じ、息を呑んだ彼女が次に目を開いたのは、普段以上に体に掛かった重力と、耳元で唸る風を切る音が無くなったと理解した時。
目の前には地面から突き出した鋭利な岩が、自らが落ちて来るのを今か今かと待ち受けていたかのように佇んでいた。
「…………、」
一歩間違えば、地面との衝突で身体が痛む程度では済まなかった。
でも幸いな事に寸での所で助かったのだ。
何故って、今きっと背中から自身を抱えてくれている小さな戦士のお蔭で──。
Aは安堵の息を吐きかけたが、突如視界が動き出したので身体を強張らせる。
だが平らな地面の上にようやく足をつけた事で、それもすぐに解れた。
何処か岩の無い安全な場所へ放り投げられたようだ。
いや、それより確認しなければならない事があると顔を上げてピンク色を認める。
「…………あ、貴方……飛べたんですね」
カービィは息を吸い込んで止めたままの状態で宙を浮いているようだ。
どういう原理かはわからないが、何にせよこれが彼の才能の一つか。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
