story.48 ページ49
「限りある力を無限にする技、ソードビーム。魂が無心であれば、エネルギーは肉体から離れソードに移る。つまり……どうすればお前は無心になれるかだ」
「ぽぅよ……?」
「やってみろ! やらねばこの剣が、お前を切り裂くだけだ……!」
再び地に足をつけたメタナイトは、呆然とするカービィに、剣技･ソードビームの極意を説き、言葉の上で彼自身を追い詰めた。
重ねてカービィの対抗心を触発せんと、足を一歩前に踏み出して威嚇する。
「…………ぽよ……」
片や、数秒待たずして切り掛れると言わんばかりの体勢をとったメタナイトの前で、彼の話を理解したのか、カービィはふっとつぶらな瞳を細めだした。
〜･〜･〜
「…………! (来た……!)」
場所は変わって、デデデ城。城の外通路から入り口付近を見張っていたAは、恐らく、メタナイトがカービィとの決闘の地と定めたカブーの谷から戻って来たのだろう、デデデとエスカルゴンの乗る装甲車の影を認めて気を張り詰めた。
車が城門を確実に潜るのを見届けた後、彼女自身も素早く城内に滑り込み、デデデが飛び込んで行った王座の間へと忍び込む。
──一緒に居た筈のエスカルゴンは何処へ置いて来たのだろうか。
Aが頭の片隅に浮かべた疑問を他所に、王座にドカリと座ったデデデが肘掛の数あるスイッチの内の一つを押し、部屋の中央の巨大なシステムと、壁の奥に隠されていたディスプレイを呼び出し、起動させた。
「ワシが睨んだ通り、カービィは剣が下手くそゾイ!」
「では、選り抜きの魔獣を。おっと、その前に──これまでの魔獣配信料を、ホーリーナイトメア社にお支払いください」
「ええい金は纏めて払うゾイ! 早く出せ!」
「では、今回は割引ナシで……」
柱の陰に隠れるAは、扉入口から王座へと進むエスカルゴンに気付かれないまま、デリバリーシステムから魔獣が送信されてくる様を食い入るように見つめていた。
あれが、ホーリーナイトメア社と此処を繋ぐ回線システムか。
そしてディスプレイの、料金を請求してくる人物がセールスマンなのだろう。
Aの立つ場所からは角度的に姿を認められなかったが、声は明瞭に聞こえる。
更に、何やら部屋の中央に現れたシステムが稼働し出したかと思うと、間もなくその台座に現れたのは──間違いなく、魔獣。
「これぞ最強のグラディエーター、昆虫魔獣バグジー」
「凄い! これならカービィはきっとミンチになるゾイ!」
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
