story.42 ページ43
それは、自分は大王に仕えたその日から今までも忠実な臣下のままだという、彼の些細な冗談返しとも取れたのかもしれない。いや、きっと普通はそう受け取る。
だが──Aには“自身が仕える者は別に居る”という、遠回しな表明に聞こえた。
彼女が不思議そうに視線を送っていると、僅かに間を置いてそれに気が付いたメタナイトもちらりと傍らに目を向けたが、すぐに前方に直って話を切る。
「……失礼。少々語り過ぎた」
先の発言は彼自身、無意識の内に放ってしまっていたようだ。
普段から沈着な言動をする彼が、ボロを出すような事態を招くのもまた珍しい。
ただ彼がこのような態度に出た時、追及するのは無駄な事を知っていたAは、敢えて気に留めず、外れた話が切れたのに従い本題に戻った。
「──ですが、何故そのような話を私に?」
「無論、其方にも力を貸してもらいたいが故だ」
力を貸す? 星の希望である戦士と闘う為に? 或いは闘いから戦士を守る為に?
決まり切った事を語るかのように告げられたAは僅かに眉を寄せた。
そうして、決闘への加担はしたくないと言って返すと、これを受けたメタナイトは少し間を空けてから、次に問いを切り出す。
「今回の件、其方はどう感じる?」
あまりに意図の掴み辛い課題だったが、恐らく彼は、此方がカービィの保身を優先したがっている事を把握した上で聞いている。
となると考えたいのは、今回のデデデ達の目論見。
「そうですね……単に貴方に戦わせる為だけではないような……かなり漠然とですが、何か別の陰謀が働いているようにも思います」
Aが知る限りでも、メタナイトは確かに優れた剣士で、彼に本気で戦いを挑まれれば、あのカービィでは手も足も出ないだろう。
ただ、今までのデデデの行動を踏まえるとどうしてもそれだけで終わる気がしない。
「或いは……カービィを確実に仕留める為に、やはり魔獣を呼ぶやも……」
「──それだ」
「え……?」
まさに、そう言わんばかりに反応したメタナイトが真に警戒しているのは、自身がカービィを否が応でも討たなければならない状況を招く事ではなかった。
戦いの疲労の合間に入れられる横槍こそ、用心しなくてはならない点なのだ。
思考の渦から戻ったAが虚を突かれたような顔つきで此方を見るのに、彼も視線を返しながら続けた。
story.43→←story.41 「第3話：え! メタナイト卿と対決?」 ◎
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
