story.40 ページ41
よくよく考えても見れば城が建っている場所も似たようなものなのだが、隣の芝生は青く見えるというか、新居という事もあってついつい憧れてしまう。
辺りを見渡し切ったカービィは、子供さながらに目の前のベッドに身を投げ出した。
そこで、何故かベッドから悲鳴が上がったので驚いて其方に視線を集中させる一行。
見るともぞもぞと掛け布団から顔を覗かせたのは、なんとあの小鳥であった。
「潰す気かっ! 安眠を妨害するな!」
「──トッコリさん!」
身を沈める筈だったベッドから弾かれたカービィは、どうやら先に横になっていたらしいトッコリに理不尽にも怒鳴られてしまう。
しかし何故彼がカービィの家のベッドで眠っているのだとAが呼びかけると、それはもう満更でもない顔つきをして、こう答えたのである。
「寝心地を確かめたが、オイラはこのベッドが気に入ったんだ」
「散々いじわるしといて、今度はカービィの家を狙うのか!?」
「カービィは外の方が良いってさ」
ベッドに入り直したトッコリに、誰が寝心地を確かめろなんて頼んだのだとブンが不満を込めて言い返してやると、今度は澄まし顔で言われてしまい。
そう言えば、彼の為のベッドに入り損ねたカービィが家の中から忽然と姿を消した。
何だ、外が良いとか話していたか? 急いで家から出て彼を探すと、近くに立つ木に作られた塒の許で、ぐっすりと眠っている球体がすぐに見つかる。
「折角作ったのに……鳥の巣の方が良いんですね」
「もう、好きにさせるさ……」
「「「あはははは!!」」」
彼にケチを付けられた訳ではないので、怒りこそ湧きはしないが、Aは少し残念そうな笑みを浮かべて木の上のカービィを見上げる。
黄色の小鳥はあれだし、ピンク色の球体はこうだし、もうこれ以上は何も言うまい。
勝手にしてくれ──脱力してガックリと肩を落としたブンの言葉で、可笑しくなった子供達の笑い声が、プププランドの夜空に遠く響き渡っていった。
〜･･〜･･〜･･〜
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
