story.39 ページ40
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当の騒ぎにより、大木の上に建てた木造の小屋は跡形も無く破壊されてしまったが、空に一等星が輝き出すほどの暗がりに入った頃には、別の家が完成していた。
もちろん、カービィの為にその時間まで村人に手を貸してもらい作った家だ。
木造の小屋より、此方の方が多少時間が掛かってしまっただけの話である。
「紆余曲折ありましたが、ようやく完成しました。此方が新しい貴方のお家です」
カービィを連れて、木造の小屋とはまた別の場所、村外れの丘まで案内したAは、そこに建てていたコンクリート造りでカマクラ型の家を片手で指し示した。
それにしても、彼女はどうしてこんなにも用意周到だったのか。
幾ら次なる魔獣の襲撃は想定していた事態だったとはいえ、一人の為に同時に家を二つ建てる計画は無理矢理すぎるようにも思える。
否、想定ではない──知っていたのだ、大王が先日、新たな魔獣を注文していた事を。
そして敵の再来を告げた彼女の言葉を信じた村人は、快く二つの家を作り上げた。
大木に建てた小屋の方を、デデデ等を引き寄せる為の囮にして。
「入れよ、カービィ」
木の扉を開いて、中へと促すブンに応えてさぞ嬉しそうに飛び込んで行くカービィ。
一日の内に二つも自分の家を与えられた事を、彼は全く疑問に思って居ないようだ。
続いてブンとA、ロロロとラララも家の中にお邪魔させてもらって新ためて、カマクラ家の内装を確認した。
「今度のは簡単には壊されないぞ!」
「暖炉もベッドもあるしね!」
ロロロとラララが両手を広げて見せるのに、笑顔のカービィは床から天井からぐるりと部屋を見渡している。
青をベースに黄色い星が散りばめられたカーテン、それに合わせたベッド。
暖炉の前、家の中央に敷かれた小さな丸いカーペットや木造りの簡易な棚。
白い照明も、星屑の入ったガラス作りの上品な物が天井から下がっている。
小窓も外の景色が見られるようにちゃんと作ってあった。
「(うーん、流石の再現度……!)」
アイデアを出したのは自分であるにも関わらず感心しきっているA。
我ながら見事な構想というかデザインというか、寧ろ自分が住みたいレベルだ。
キッチン等がなくその点が不便なので、A達が住むにはあまり現実的でないが、草原の広がる丘の上で海も眺められてなんて、結構ロマンチックな場所なのだった。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
