story.38 ページ39
相手が重量で来るなら、此方もそれを越えた重量で迎え撃っているかのようだ。
改めて星の戦士の強さを感じ入ったAとブンが笑みを浮かべた。
「偉いぞ、カービィ! 大したもんだ! 流石は星の戦士!」
だが、いつの間にか観戦に来ていたトッコリがカービィを称える声には、不思議に思って目を丸くしていると、それに気づいた小鳥はフンとそっぽを向く。
一方、分裂したままでは歯が立たない事を理解した三体の魔獣は合体をし、再び巨大化した石となってカービィに襲い掛かっていく。
草原の時のように頭上から押し潰さんと、何度も何度も身体ごと踏んで来るブロッキーの攻撃に耐えるカービィは、岩の姿のままのろのろと移動を始めた。
幾ら同じ力を得たからといって、一歩間違えば頭からかち割られるのではないかとひやひやしながら様子を見ていると、彼が目指した先は眼下に海の広がる断崖絶壁。
魔獣はそれに気がついて居ないのか否や、所構わずに攻撃を続け――この衝撃に耐えきれなくなったのは、海の先に突き出した崖の方だった。
「ああっ!」
「ブロッキーのドジィ!!」
「下は海でゲス……」
嫌な予感がしていたAは、手も出せずににただ事の顛末を見ているしかなく。
衝撃で崩れた崖と共に、ブロッキーとカービィが海の中に身を沈める。
これできっと魔獣を始末出来たのだろうが、カービィまで海底に沈んでしまう。
魔獣を応援する側だったデデデも悲鳴を上げ、ブロッキーの終わりを思ったらしいエスカルゴンは涙を流した。
「……カービィ……!」
まさかカービィもあのまま沈んでいくのを待ちはしないだろうが、彼の安否を思うと気が気でなかったAは、ブンやパンサーと並んで敵も味方も居なくなった崖の隅に駆け寄り、カービィの落ちて行った海を見下ろす。
「──ぷぅよ!」
何処までも続く青色の中に、ぽつんとピンク色が浮かび上がったのは間もなくだ。
海に沈んで行く途中、コピーを解除してブロッキーの分身を吐き出した様子のカービィが海面に顔を出し、愛らしい笑顔を見せて此方に両手を振ってくれる。
石以外の何者でもないブロッキーは落ちて行く他ないだろうが、斯くして、星の戦士は無事に新たな魔獣討伐に成功したのであった。
彼の勝利を喜ぶA達の傍ら、駄々をこねる子供のように泣きわめいていたデデデが居たのは、また別のお話。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
