story.35 ページ36
魔獣が再びカービィを見つける前に講じなければ、また押し潰されてしまうだけだ。
──最悪、自分達の手で魔獣を始末する場合すら視野に入れ始めていた時。
「訳を教えてやろう」
「「…………!」」
誰かの影が、陽の光から此方を覆ったと認めた瞬間に低い声が投げ込まれ、A達は揃って顔を上げ、この場に訪れた人物を目にした。
そこに立っていたのは、カービィがオクタコンとの戦いを迎えた時には、ソードナイトやブレイドナイトと行動を共にしていた、彼。
「メタナイト卿!」
くっと鼻を上げたパンサーが敬称を含んだその名を口にする。
崖上から崖下の一行に語りかけた彼、メタナイトは全てを知り尽くしたかのような瞳の色で、引き続きカービィの吸い込み能力が通用しない敵の謎についてを述べた。
「敵は超重密度──」
「…………なにそれ?」
「要するに吸い込むには重過ぎるのだ。だがその特徴を利用すれば活路も開けよう」
きょとんとしたパンサーに答えると、メタナイトは素早く崖の向こうに姿を消す。
魔獣攻略の為のヒントを与えて、後の事は此方に任せようとしているようである。
……超重密度、巨大石の見た目そのままにかなりの重さを誇るブロッキー。
そういった重過ぎる敵や物は、どんなに頑張っても吸い込むのは難しい。
カービィ自身の能力があまりに現実離れしているので見落としがちになっていたが、自然の摂理を考えれば当然の現象だ。
という事は、今のブロッキーが巨大過ぎるのも吸い込めない要因の一つなのだろう。
ならば、まずはあの巨体を粉々に打ち砕く方法を模索すれば良い。
「デデデの家来なのに、アイツ、カービィが心配なのかな?」
「……この機に試してみましょう。貴方がどれほどの重量を吸い込めるのか」
「ぷぅい!」
実のところ、立場としてはデデデ大王の部下であるメタナイトは、本来であればカービィの存在を良く思わない大王の意志に従って彼を始末せんとするのが自然だ。
だが重要な問題はそこではない、今はブロッキーを倒す為に行動を起こさなくては。
そうだ、諦めるにはまだ早い──立ち上がったAは、ブンの疑問に対し曖昧な態度を示しながら、足下のカービィに岩々の吸い込みを試みさせた。
Aの声に貼り切ったカービィは、まず辺りに転がる両手で抱えられるサイズの岩に向かって吸い込み始める。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
